211224
久しぶりにこのオペラを観ました。ヴェリズモオペラの代表的な作品で、ルッジェーロ・レオンカヴァッロ作曲です。上演時間が短めなので、同じくヴェリズモオペラの「カヴァッレリーア・ルスティカーナ」(ピエトロ・マスカーニ)との抱き合わせが多い演目です。
カニオには、聞くたびにうま味を増している上本訓久さん、トニオには、これまた依然上昇機運にある今井俊輔さん。そして、そしてネッダを田月仙(チョン・ウォルソン)さんが、企画・プロデュースも兼ねて演じます。また、シルヴィオには伸び盛りのバリトン、井上大聞(たもん)さん、ベッペにはヴェテランのテノール、水船桂太郎さんという布陣です。
今回初めてのチョン・ウォルソンさんは目力の強い表情と、シャープな高音域の発声に特徴があるように感じました。東京生まれだそうですが、DNA的には半島人ということで、少しその辺の、なにか倭人とは骨格的に異なる声帯に秘密があるのでしょうか。芸域は広く、日本、韓国はもとより世界の舞台でも活躍されてるとプログラムには記載があります。
同じく初めてとなる井上大聞さん、目立たない役柄ながら、存在感はしっかり示しましたし、将来性豊かなバリトンとお見受けしました。
珍しいところでは、カニオの魂という役でバレエが組み込まれたことで、この演目はカニオの心理描写に重点が置かれているので、有名なアリア「衣装をつけろ!」で、その辺がたっぷり表現されるのですが、さらにバレエを加えて、彼の深い悩みと迷いを表現したかったのでしょうか。
日経ホールは久しぶりですが、椅子の高さがうまく調整された設計で、前の列の客の頭はほとんど気にならない、とても観やすい構造になっています。ただ、本格的なオペラ上演までは想定していなかったからか、照明などは、割と単純な仕掛けのようで、照明さんにはややこなしにくいホールかも知れません。(もしそうでなかったら、ごめんなさい!)
伴奏を一人でピアノを弾ききった山口佳代さん、まことにおつかれさまでした!