ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ローマの教室で 〜我らの佳き日々〜」@AmazonPrime

211231  IL ROSSO E IL BLU (赤と青)2012年、伊 98分、脚本・監督:ジュゼッペ・ピッチョーニ 2013年イタリア映画祭出品作品

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これはつい最近見た今年のイタリア映画祭出品作品「学校」(原題:LA SCUOLA,1995年)とそっくりの中身で、驚く。二つの作品には17年の時間差があるが、それをまったく感じさせないほど類似している。

ローマにあるごく普通の高校が舞台です。荒れ放題で、手を焼く先生たち。新たに赴任してきた国語(つまりイタリア語)の臨時教師(リッカルド・スカマルチョ)が主人公です。不良っぽい生徒たちも、それは表面的なことで、実は純真な子供たちなのです。力でねじ伏せるのではなく、じっくりと指導していこうとする熱血先生に、次第に生徒側が近づこうとしていく、とまあ、割とワンパターンではありますが、スカマルチョが本役にぴったしということもあり、ごく自然に見られます。

古手の頑固な先生もいい味をだしているし、校長役のマルゲリータ・ブイさんには、相変わらず痺れます。イタリア人にしては、というとかなり失礼な言い方になりますが、大変理知的でいかにも教養ありげな雰囲気をまとっていますね。目力というか目の輝きがすてきな女優さんです。イタリア映画ということもあり、どうしても甘めになりますが、私には佳作です。

あ、それから、この邦題はひどいですね。こんなありふれたタイトルにしちゃってはね。もうひとひねりしないと、日本人は見てくれませんて。