ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「いつだってやめられる 闘う名誉教授たち」

190207 原題:SMETTO QUANDO VOGLIO(いつでもやめてやる)イタリア 原案・脚本・監督:シドニー・シビリア

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三部作の最終章。したがってこれだけ単独で見でも、本作の面白さは、残念ながら伝わってこない。まばらな観客から、ほとんど笑い声は聞こえてこなかった。

教育関連予算削減で大学を追われた教授陣が主人公。自らの専門知識を活かして、合法ドラッグで一儲けを企むが・・・現在服役中の身。奇天烈な方法で脱獄を決行するが、果たして目論見通り一発逆転となったのか。

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イタリアでは大ヒットしたらしいが、日本人の感覚には正直合わないので、イタリア映画祭出品作ながら、ほとんど話題にならなかったのはイタリア映画ファンとしては残念至極。

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この分野、すなわち古典芸能に通暁する教授がいて、アドリブで急場をしのぐ。

獄中オペラが一つの見せ場。この辺りがいかにもイタリア映画らしい。オペラ大好き人間の看守長が、今年はロッシーニの「セヴィリアの理髪師」公演を目指す。囚人たちが女役も含めて歌い演じる訳だが、珍妙ながらも音程も正確で、長いシェーナを淀みなくこなす場面が笑える。監視が手薄になったスキに脱獄というよくあるパターンだが、大体は国民が熱狂するサッカーの試合、野球、アメフト、競馬の中継が多い。そこをオペラに仕立てたところがなかなか。

#5 画像はIMDbから