220123 KNIVES OUT (刃の出た状態のナイフがいっぱい)製作(共)・オリジナル脚本・監督:ライアン・ジョンソン
なんたって、この出演者の豪華なこと!ついでに、ちょうど1年前に91で亡くなったクリストファー・プラマーの最晩年の出演作品ということで、前々から気になっていた作品をやっと見ました。彼について言えば、バリバリのオーストリア軍の将校で厳格な父親、フォン・トラップ大佐を演じた「サウンド・オブ・ミュージック」がまず念頭に浮かびます。
巨万の富を築いたベスト・セラー作家、ハーラン・スロンビー(クリストファー・プラマー)が85歳の誕生日に急死します。自殺か他殺か、さっそく警察と名探偵ブノワ・ブロン(ダニエル・クレイグ)がその日、邸宅に揃っていた一族に尋問をしていきます。いわゆる密室殺人事件というやつです。いかにもアガサ・クリスティーが書きそうな世界ですが、原案は監督自身というから、結構な才能の持ち主です。
キーパーソンはハーランとかなり密接に過ごす看護師、マルタ・カブレラ(アナ・デ・アルマス)で、彼女が疑われます。なにせ全財産を彼女に譲ると言う遺言が残されていたからです。しかし、探偵ブロンは特異の嗅覚で犯人を見抜いています。
屋敷で飼われている犬が重要な役割を果たします。犬たちの演技もあなどれません。まあまあの出来栄えです。室内の装飾品、調度品、それにコスチュームなども見どころでしょうかね。こう言う作品は見ていて、楽しいです。
イギリス人のダニエル・クレイグが変な英語をしゃべります。なんでもアメリカ南部訛りなのだそうです。それに、役作りの一環なのか、妙にぶよぶよと太って、ダニエルらしさはまるでありません。このブノワ・ブロンというのは、エルキュール・ポワロを意識した設定でベルギー人を思わせる役名にしたとか。
人気俳優であるハーランの孫役のクリス・エヴァンス、なかなか登場しませんが、後半は存在感を見せてくれます。
この邦題、苦労の跡が見られます。考えあぐねて結局英語をそのままにしたのですが、これじゃよく分からん、ということで、説明風の副題をつけましたね。