ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ミュンヘンへの夜行列車」@Amazon Prime Video

220125 NIGHT TRAIN TO MUNICH 英 1940, 95分、監督:キャロル・リード

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上のポスターにある「一般展示には不適」とはどういう意味でしょうかね。

見始めてすぐ抱いたのが既視感!俳優が重複していることもありますが、全体の展開がヒッチコックの「バルカン超特急」(THE LADY VANISHES)です。その2年後に登場したのが本作ですから、まるで姉妹編のような具合です。1938年製のヒッチコック作品へのオマージュかも知れません。同じ英国人でヒッチが7歳年上という関係です。

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こちらは「バルカン超特急」の一場面

主演女優はどちらもマーガレット・ロックウッド。また脇役ながら重要なポジションの二人組については、役名も俳優も同じという徹底ぶり。ついでですが、ドイツ側のスパイに扮する俳優、どこかで見たことがあると思ったら「カサブランカ」のラストに登場してイングリット・バーグマンと逃げることになるラズロという男を演じています。

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このポスターの右下にいる二人、上の「バルカン・・」にもいますね。

話は他愛ないですが、製作年で分かるように、欧州は風雲急を告げて、まさに開戦前夜で、英独のスパイ合戦に巻き込まれる科学者の父娘の争奪戦が繰り広げられます。結構スリリングな場面が多いのですが、なにせ当時の技術なので、ミニチュア模型を大事なところで多用せざるを得ず、CG作品を見慣れた目には、ご愛嬌という印象を受けてしまいます。

キャロル・リードにとって、本作は2作目の監督作品。この後、「邪魔者は殺せ」'47、「落ちた偶像」'48、そしてあの「第三の男」'49と立て続けに良作を発表します。最も愚亭が見た彼の最後の作品、ミケランジェロを描いた「華麗なる激情」'65は凡作でした。