ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「土の歌」を聴きに浅草へ

220528 愚亭が所属する地元合唱団がまさに練習を始めたばかりの歌が聴けるとあって、はるばる(?)浅草まで。

よくできたプログラムで自分達の演奏会の時の参考にしたいぐらいです。

我が合唱団一の情報通から本コンサートのことを知り、会場アクセスは我が家からだと必ずしも良好ではないのですが、出かけました。実は過日、テレビでこの合唱団のことが取り上げられたり、また指導にあたっている指揮者に数年前にマーラーの「復活」で指導を受けた経験があったりで、大いに関心が高まった次第です。

第1ステージの作曲家ボブ・チルコット(67)と言う人は下の解説にもあるように、現在も活動中です。愚亭はまったく知りませんでした。こうして日本の歌を編曲してみたり、レクイエムをジャス風に作曲してみたり、とても親近感を持ちました。

エストロ木村の指導よろしきを得て、いずれも見事な演奏でした。こういう選曲ができる合唱団をとても羨ましく感じました。大いに参考にしたいところです。さすが40年の歴史ある合唱団だからこそなのでしょう。(ちなみに、指揮者は一般にマエストロですが、これはイタリア語男性名詞。女性だからマエストラになるかと言えばさにあらず、そのままとするのが定説のようです。)

さて、いよいよ肝心の「土の歌」です。これも文句のつけようがない演奏でしたが、いかんせんマスク装着していますから、音はいいとして、歌詞がほとんど伝わらないという結果を産みました。この曲は歌詞に思いがこもっていると感じていますので、それが会場に伝わらないと本当に残念です。とりわけ下のProgram Noteにもあるように、ウクライナのこともある時期だけに、なおさらそう思いました。ついでながら、我が団の演奏会開催時(多分来年夏〜冬)にはマスクなしで歌えることを祈るしかありません。

当団の編成は女声32、男声10です。我が合唱団も演奏時には大体そのような編成になると思いますので、響き方も参考になりました。男声少数の悲哀は当然ながらありました。途中で男声パートがそれぞれ2部に別れて4部になったり、第4楽章ではテノールのソロ演奏が6小節ほどあるのですが、プロではないので、二人で受け持っていました。

低音部が弱いのはアマチュアでは仕方ないことでしょう。しかも第6楽章「地上の祈り」では超低音部で祈りの言葉をつぶやくところが数カ所含まれますが、ここはおそらくマスクを外してもほとんど聞き取れないと思われます。この辺がこの選曲をした場合の悩みどころと覚悟しました。

最後は「大地讃頌」を高らかに歌い上げて大喝采でした。

鳴り止まぬ拍手に応えて、アンコールは珍しくアイルランド民謡、Danny Boyをさらっと英語で歌って終演でした。終演時間は15:40。開演が14:00でしたので、途中休憩15分挟んで正味85分。一応、ミニとつけてはいますが、聞き応えタップリのコンサートでした。お疲れ様、アンド BRAVI~~~!!

行きは都営線で浅草まで。すごい人出で、仲店通りと浅草寺境内は敢えて避け、会場のミレニアムホールまで暑い中、速足でおよそ20分。結構な距離です。帰路は、せっかく近所まで来たので、普段、やれ「その手は桑名の焼き蛤」だの、やれ「恐れ入谷の鬼子母神」だの、地口を言っているのに、その鬼子母神がどこにあるかも知らず、チコちゃんじゃないけど、ぼぉーっと生きてんじゃないよ、と言われそうな気がして、寄りましたよ。

ご覧のように鬼の字には1画目がないのです。

他人の子を取って食べていたのを釈迦に諌められ、改心して子供の守り神や安産の象徴となったために角が取れてこの字になったとか。ほんとかねぇ。

この後、JR上野駅まで歩くのですが、これまた結構な距離で、疲れました。1日で1万歩を超えたのは久しぶりで、今夜はよく眠れそうです。