ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「グローリア」@Netflix

220531 GLÓRIA (人名かと思ったら地名。ポルトガルの首都リスボンから東へ、スペイン国境との中間にある寒村)Netflix初のポルトガル作品。1シーズン 10話 監督:アゴ・ゲヂス 主演:ミゲウ・ヌニス

ポルトガル映画というのは、劇場公開でも滅多に見ることはありません。今回は配信で初めてポルトガル作品を鑑賞。当然ながら、ポルトガル語が9割、英語が1割という配分。

時は1960年代、米ソ冷戦の真っ只中。互いに神経を尖らせての情報戦をやっております。ポルトガル政権の大臣の息子、ジョアン(ミゲウ・ヌニス)、見栄えもよく、頭も切れるし、時代の先を読む鋭い観察力も備えているとあって、KGBに目をつけられ、破格の条件で引っこ抜かれます。父が現内閣閣僚でありながら敵側のスパイになるんですから、なんというハラの座り方でしょう。

特にスパイ養成所で叩き上げられたわけでもなく(映画に描かれなかっただけで、実際には研修は受けたんでしょうね。でないと、天下のKGBが触手を伸ばすことは考えられませんから)騙しのテクニックなどを駆使しながら、実地に学び、メキメキ腕を上げていきます。

ご覧のようなイケメンですから、女をたらしこむのも天才的なのです。それでいて、殺しのテクも冴えていて、非情さも併せ持つタイプ。

当時の時代背景はテレビニュースや米大使館に掲げられている大統領の写真などを使ってさりげなく示されています。

結局、素性がバレ、父親は手を打ちます。ラストは次のシーズンがあることをうかがわせて静かに幕となります。絶賛まではいかずとも、まずまず面白い作品でした。それにしても、この作品でも飲酒と喫煙のシーンのなんと多いことでしょう。