ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

エルヴィス・ソサエティ主催エルヴィス生誕祭@日本橋公会堂

230108 昔の職場の後輩で熱烈なエルヴィスファンから誘われて、新年早々、日本橋公会堂へ行きました。私も最近、映画「エルヴィス」を観たばかりで、彼の偉大さを再認識したばかりなので、楽しみにしていました。下のチラシにあるように、この日は彼の誕生日、生きていれば88歳!ちなみに没年は1977年、享年42とは!いかにも惜しまれる早死にでしたね。

当然、エルヴィスファンとなれば、高齢者が多いものと決めてかかっていましたが、意外にも会場には若い世代もいて、いささか驚いた次第です。愚亭が初めてエルヴィスをラジオで聴いたのは中学2年か3年頃でしょうか。多分「ラビ・ミー・テンダー」だったように記憶しています。また映画として最後に見たのは1974年に駐在中のパリで見た「エルヴィス・オン・ツアー」だったと思います。愚亭にとっては、やはり少し後に登場してくるザ・ビートルズよりも深く印象に残ったレジェンドです。

今回私を誘ってくれた熱狂的ファンは、遠くアメリカのミシシッピー州のトゥペロ(Tupelo)まで行って彼の生家まで見てきたというから、その傾倒ぶりが伺えます。彼が歌った歌はもちろん全曲を聴いているし、エルヴィスグッズのコレクションもハンパではないでしょう。

まずは史上初のエルヴィスの衛星生中継が行われた際のテレビ映像を画面に映し出して、日本の中継会場、まいまで言うライブビューイング会場の共立講堂からの様子を徳光アナが伝え、そしてスタジオではフランキー堺と松岡きっこが司会を務めました。画面ではエルヴィスを乗せたヘリがホノルルのヒルトン・ハワイアン・ヴィレッジ到着の瞬間とその後の熱狂的な歓迎ぶりの様子などを伝えます。

それからトークショーです。

左、湯川れい子さん、中央、牛窪成宏さん、右、司会のビリー諸川さん

これが面白かった。特に音楽プロデューサーである牛窪氏の、契約時から演奏会当日の裏話が実に痛快でした。結構なお年なのですが、まったくひょうひょうと淡々とした語り口に好感を覚えました。こう言う方のおしゃべりってーのは嘘がないし、手柄話として自慢するわけでないから、いちいち深く共感できるわけですね。

この企画、最初の段階で、まず牛窪さんのところに持ち込まれたそうです。そこから電通につなぎ、さらに当時、民放ではダントツだった日テレに持ち込まれてまとまったようです。ただ、初の衛星生中継ということで、中継中に電波に不具合が発生して画像が中断するようなことにでもなったら一大事!そこが最も関係者を悩ませた大きなリスクだったようです。幸い、それも杞憂に終わり、大成功だったと。

そして、最後にコンサートの模様が細大漏らさず映し出されました。もちろん映像は当時のものですからそれなりの粗さはあるものの、音声は大変クリアで、聞き応え十分でした。全部で23曲をぶっとおしで歌う、その圧倒的なド迫力には今更ながら唸りましたね。歌手として絶頂期だし、彼の本当のうまさがたっぷりと伝わりました。やはり、彼がキング・オブ・ロックンロールというのは、まごうことなき真実でしょうし、このジャンルを世界に認知させた最大の功労者であることは疑いようがありません。いささか興奮の面持ちで会場を後にしました。