ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「パリの調香師 しあわせの香りを探して」@Amazon Prime

230131 LES PARFUMS (香水)仏 2019 1h40m 脚本・監督:グレゴリー・マーニュ

さすがというかフランスの匂いがプンプンする映画です。題材がまず、いかにもフランス的!主人公の一人が調香師ですからねぇ、多分、もともと嗅覚が優れていて、この職業を選んだんでしょう。ワイン好きだったら、ソムリエという選択もあったかも、です。鼻が命という人にはまさに命取りの事態ですよ、嗅覚異常は。

んで、もう一人の主人公は、別れた女房と一人娘の親権を係争中のハイヤー運転手。彼にある日、アサインされた仕事がこの調香師をいくつもの大きな荷物(商売道具満載の)と一緒に郊外へ運べってわけです。

面白い組み合わせですよね。なにせ若い頃から調香師としては一流の存在となり、数々の香水を世に送り出した人物ゆえ、贅沢三昧でしたから、ハイヤーの運転手にも、「はい、あれして、はい、これして!」と結構わがままな指示ばっかり。さすがのプロの運転手も手こずります。

そんな二人ですが、なぜか徐々に、流れとしては関係が縮まります。もちろん、恋愛感情はまったくないのですがね。お互いに相手の立場を認め合うというような接近の仕方ていうんですかね。

ある日、かなり自暴自棄的症状を呈して、移動中車内で過剰睡眠薬摂取で、昏睡。あわてて車内から救命センターに電話して指示を仰いだ彼、一刻も早くどこそかの病院へ急行せよ、ってんで、180km/hぐらい出しちゃったから、パトカーに捕捉されちゃいます。彼女はおかげで一命を取り留めるものの・・・・

まあ、終わり方がなかなか味があり、この辺もフランス的で、癒されました。佳作。

調香師役を演じたエマニュエル・ドゥヴォス、どちらかといえばごっつい、いかつい感じの女優ですが、存在感たっぷりで公演でした。一度見たら忘れられない顔ですよ。前に何度か見ているのですが、タイトル、思いだえないまま。

この邦題、どうですかね。原題は単に「香水」だから、さすがにこれじゃ無理、かと言ってそのままカタカナにしても無難であはるけど、前にもそんなタイトルの映画がありましたし・・・まあまあ落ち着くところに落ち着いたという感じですかね。