ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「クーリエ:最高機密の運び屋」@Amazon Prime

230218 THE COURIE (運び屋)英米 2020 1h52m 監督:ドミニク・クック(イギリス人、製作総指揮にも名を連ねている)

なんで自分がこんな大それた役割を担うことになっちゃったんでしょうか。さっぱり分からないまま、あれよと言う間に、大掛かりな歴史の裏舞台の主役になってしまった男の話です。

時代は1962年、キューバ危機で終末時計が歴史上最も0時に近づいた瞬間でした。奇跡の回避がなったのは、表舞台ではケネディーとフルシュチョフでしたが、裏では誰も知らない人物が主役となったドラマも進行していたのです。実話だそうです。

平凡なセールスマン、グレヴィル・ウィン(ベネディクト・カンバーバッチ)はある日、とあるカップルにランチに誘われます。なんと二人はM16だったのです。なんで自分が、としきりに訝るものの、相手もそれなりに勝算ありとして選びに選び抜いた標的ですから、まんまと彼の説得に成功します。

ひんぱんに出張する機会の多いセールスマンだけにモスクワ側も彼の入国になんの関心も示しません。こうして、ウィンはソ連側のターゲット、ペンコフスキーのコンタクトに成功、最高機密情報を入手、M16に提供し続けます。

ま、しかし敵は泣く子も黙るKGBです。常時、あらゆる場所に目を光らせているわけで、ウィンとペンコフスキーの関係はほどなく嗅ぎつけられてしまいます。ま、当然ですし、M16は結果は予見できたはずです。予見できなかったのは、ウィンとペンコフスキーの間に固い友情が生まれていたことでした。

二人を待っていた過酷な運命は想像に難くないところです。ウィンは、やがて国同士が交渉に乗り出し、家族のもとに生還を果たしますが・・・。

この種の、実話に基づいた作品は多数ありますが、トム・ハンクス主演のブリッジ・オブ・スパイ(2015)も怖い映画でした。本作を見ていて思い出しました。スパイ映画は、いつバレるか、ハラハラドキドキし続ける訳で、心臓によくありませんね。