230513 一月ほどまえに舞台に立ったホールでオペレッタを楽しみました。
このシリーズ、何年か前から何度か見ています。毎度のことながら、これだけ芸達者を揃える林 美智子さんが大したもんです。自らもドラベッラを歌いますがプロデュースするんですからねぇ。そっちの才能もあるんだから、見上げたものです。それにしても、粒揃いのキャスティングで、心ゆくまで笑いました。日本語台詞台本・構成・演出と一人でやっているわけですから、まさに脱帽です。
みなさん、超ベテランで、もう若くはない(鵜木絵里さんが一番若いかな)のですが、その味がたまらない魅力なんです。
冒頭池田直樹さんが登場してマダム・キラーのあのソフトな低い声で口上を述べます。まずこれで聴衆をこれから始まる物語の世界へ引き摺り込みます。ニクイ表現力で唸ります。
そして憧れの澤畑恵美さん、気品溢れる演技と歌を間近で(前から2列目)たっぷり、じっくり堪能。主役男声陣、もはや大御所の雰囲気の黒田 博さんはすでに息子さんが立派なオペラ歌手に成長されているので、まあ、ご隠居さんですが、まだまだ驚異のスタミナです。肉体的にも軽々とした動きは、相当日々鍛錬されていると想像します。
テノールの望月哲也さん、コロナ直前の「こうもり」抜粋公演でご一緒できる機会がありましたが、独特の美声に加えて、ひょうきんさ漂う演技力も健在で、嬉しく拝見しました。
こうしたオトナたちを差し置いて、女中デスピーナ役の鵜木絵里さんが主役人を食いまくりましたね。なんたって、特徴ある大きな目(林 美智子さんのもデカいですが)をうまく使って、百面相と軽妙な動きには毎回爆笑させられ、一瞬も目が離せません。周囲に気遣うほど愚亭は一人で笑いました。一応、まだコロナ菌はいますからね、笑い声を噛み殺しながら。
上にあるようにすべて重唱オンリーで、アリアはいっさい抜きというのも、このシリーズの特徴なんですねぇ。そこも含めて、すこぶる異形のオペラ・シリーズなんです。これからもなんどか脚を運ぶことになりそうです。
もちろん公演中は一切撮影禁止ですが、カーテンコールからはどうぞいくらでも撮ってSNSにどんどん上げてくださいというスタンスですから、スタッフの目を気にすることなくストレスフリーでばんばん撮影しまくりました。
そう言えば、左端の河原忠之さんの存在感も相変わらず。ごらんのように増量し、また髪も思いっきり短めなんで、多少雰囲気は変わっていますが、時折歌手、といっても主としてデスピーナとの絡みで笑いを取ります。
なお、ここには映ってはいませんが、譜めくりを担当した石井里乃さん、伴奏ピアノでも活躍されていて、ソプラノ坂井田真美子さんの専属ピアニストかな?
終演後の笑顔、サイコーですねぇ!いやあ、楽しかった!