ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「テイラー 人生の仕立て屋」

230619 RAFTISギリシャ語で仕立て屋)、1h40m

滅多に見ることのないギリシャ映画です。仕立て屋が主人公の軽い喜劇です。

幼児時代から仕立て屋の父親に仕込まれて立派に成長した2代目、ニコス、しかし時代はもう高級仕立て屋の出る幕ではありません。しかも、年老いた父親は病がちとなり、悪戦苦闘する日々。唯一の救いというか楽しみは隣家の娘との心安らぐ交流です。

気がつくと、その母親まで巻き込んでいきます。座して死を待つよりと、自分で屋台を作って、紳士服の行商に出ますが、やはり売れません。そのうちに女性客が冷やかし半分に屋台を覗くようになり、次第に時代の変化を悟り始め、女性服、それからウェディングドレスに着目、女の子の母親の協力も得て、商売が安定軌道に。

気付かぬ間に二人に愛情が芽生え、ああ、ダメダメと思っているうち・・・。純真なニコスだけにハラハラさせられます。もしかするとコワモテの亭主が出てきて一悶着、必至かと思わせながら、エンドとなります。

ギリシャの庶民の生活ぶりが覗けるという別の楽しみもありましたが、やや表層的だったかも知れません。ほっこりする効果はある作品です。