240406 La Symphonie Pastorale 仏 1946 1h48m 監督:ジャン・ドラノワ
ご存知、アンドレ・ジードの同名原作を、戦後すぐにジャン・ドラノワが映画化したものです。ミシェル・モルガン繋がりで視聴することに。撮影時は25歳ということになります。確かにきれいですし、とりわけ吸い込まれるような瞳には参りますね。やや頭でっかちなのが惜しい!(笑)
でも、演技力はなかなかのものです。見えないときと、見えるようになってからの視線の当て方など、よほど研究したのでしょう。実に自然ですばらしいです。それと、ラストの死に顔のアップが強烈な余韻を残します。
ま、しかし、不道徳というのか、妙な話です。教会の敬虔たる牧師が、村で保護者に死なれて捨て子に近い状況にあった盲目の少女を気の毒に思い、自宅に引き取り、自分の子供たちと一緒に養育するのですが、美貌の女に成長すると、あろうことか恋心を抱くという、なんとも救いようのない話。
そのことを苦にしたジェルトルードと名付けられたこの娘、開眼手術が奇跡的に成功するのですが、ある雪の朝・・・。後味、すこぶる苦いです。
いやまあ、あまり気分のよい展開ではありません。映画としては、まあまあの出来なのでしょうが、時代を考えれば、こんなもんでしょうかね。1950年、日本公開時の反応はどうだったんでしょうか、気になります。