ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ロダン カミーユと永遠のアトリエ」

171116 原題:RODIN 仏 120分 脚本・監督:ジャック・ドワイヨン

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没後100年(1917.11.17没)を記念して作られた作品。「地獄門」の制作に追われるロダンの、愛弟子であり、愛人であるカミーユ・クローデルとの奔放な生き方を描く。

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彼女の彫刻家としての技が一流であることを早くから見通しているロダン。それを自覚するカミーユは、ロダンを師として尊敬する一方、ロダンからの熱烈な愛も受け入れているが、内縁の妻ローズの存在が許せない。結局、二人の仲は破綻するしかない。

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エミール・ゾラロダンと同じ1840年生まれ)が会長を務めるフランス文芸家協会の依頼で、オノレ・バルザック像を制作するも、あまりにも奇抜な出来栄えに受け取りを拒否され、作り直さざるを得なくなる。そして、今、ロダン美術館はもとより、パリのバヴァン広場⬇︎ほか、地下鉄駅などあちこちに見られる傑作が生まれることに。映画では、ラスト近く、箱根の森美術館に屋外展示されているバルザック像と、周辺を遊びまわる子供達を捉えている。

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それにしても、カミーユと別れてからのロダンは若いモデルに異常なほど執着し、制作のかたわら、入れ替わり立ち替わり、モデルとの愛欲に耽っている姿が描かれ、ここらあたりはいかにもフランス映画であることをいやでも思い知らされる。中には花子と称する日本人モデルまで登場する。

映画には描かれていないが、別れたカミーユに対する愛情は生涯持ち続けたようだし、一方、カミーユロダンと別れ、制作が続けたものの精神に異常を来し、療養施設で一生を終えたようだ。

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映画作品としては、凡庸だが、ロダンを演じたヴァンサン・ランドンの演技が素晴らしいが、冒頭の写真にも見られる目力たるや、凄まじいものがある。

蛇足ながら、この邦題、評価しない。むしろ原題のまま、ただ「ロダン」の方がよかった。それと、日本語字幕で、「まるでジェットコースターのように・・・」と出てたので、(原語の表現は聞き逃したが)まさかその時代にあるわけない、と思いつつ検索したら、なんと世界初のジェットコースターは1800年にフランスで誕生したというからびっくり!

#75 画像はIMDb、およびALLCINEMA on lineから。