ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ギャラリー道玄坂

f:id:grappatei:20101001093436j:image:left雨の中、兄の所属するグループの展覧会へ。今回初めて使う画廊は、渋谷マークシティーをほぼ突き抜けた裏道にひっそりと佇む。

丁度、先生の講評が始まったところだった。他人の作品の講評でも、聴くのは大好きだ。プロはどういうところに着目して素人の絵を評するのか、なかなか興味深い。

f:id:grappatei:20101001093116j:image兄の作品はこの2点。左(油彩6号)はサイパンのバンザイクリフ。海の絵は波が難しい。右手の断崖上が一直線にならないよう、樹木を配するなどの工夫が必要と指摘されていた。左側のゴツゴツした感じは絵の具に砂を混ぜる手法。

大きい50号の絵は、得意の飛行機。イギリスの飛行ショーの一場面とか。中央の赤い機体はDH88という機種で、イギリスが誇る不運の超音速旅客機、コメットと同じ名前だが、こちらは同じデハヴィランド社製の伝説のエアレーサー。中央の赤が効果的に使われていると褒められていたが、左側に配した人物は不要ではないか、という指摘も。

ついでながら、この兄は幼少時からバリバリのキコーキ野郎で、長じて航空会社に入り、趣味と仕事を同じに出来た幸せな男。自宅には旅客機のシートまで持ち込むぐらいだから、その程度が知れようというもの。水墨画の絵師だった祖父のDNAを色濃く受け継いでいるらしい。

この素人の絵描きグループ、これまで指導をしてきた○賀画伯が6月に亡くなり、その後を若い△賀画伯が継いでいる。当然、スタイルも指導法も異なるので、双方に戸惑いがあることは、講評を聞いていてよく分かった。徐々に新しい先生のスタイルに慣らされて行くことになるんだろう。それで兄の絵がどう変わっていくか、それも今後の楽しみ。