ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「知られざるショパン」

f:id:grappatei:20101017093604j:image:left歩いて行けるクラシックコンサート。今日は今や人気絶調、青島先生の登場もあり、大入り満員。ショパン・ファンでもクラシック・ファンでもない人が結構入場していたのは、周囲の漏れ聞こえる会話で分かった。青島人気ゆえだろうか。

タイトル通り、普段余り演奏されない演目を集めた、珍しいコンサートだ。特に6番目バラード第一番は日本初演だから、譜もお手製のようだった。演奏後、これを企画・構成・演奏した永田郁代さんに青島先生から盛んにエールが送られていて、楽譜を年内に国内出版することを請け合っていた。

ピアニスト、藤井一興さん、青島先生とのトークで分かったことだが、芸大の同期生とか。この方、特徴あるヘアスタイルだが、お顔はかなりお若い。演奏テクニックは勿論抜きんでた存在。ピアノ三重奏ト単調でのきらびやかな音がまだ耳に残る。

大谷康子さんは、東響のコンミスで、たびたびミューザでお見かけするが、演奏スタイルもさることながら、女性としてもとてもチャーミングな方だ。有名なノクターン嬰ハ短調遺作をミルシュタインによる編曲でバイオリン演奏。愚亭も初めて聴いたが、まったく違った興趣で、ご本人も涙が出そうになりながら弾かれたそうだが、それは我々にも切々と伝わってきた。

堤 剛氏は今更の説明不要。この3人による三重奏は鳥肌が立つほどの名演。貴重な演奏会。
アンコールは藤井氏の「子犬のワルツ」。軽妙かつ流麗。お見事。

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