101110 久しぶりにおカミさんと新宿の損保ジャパン・ビルへ。
古今の自画像ばかり集めた展覧会は珍しいのではないか。(ロンドンには肖像画美術館はあるが)
これは1664年に「自画像コレクション」を創始したトスカーナ大公の弟レオポルド・デ・メディチ枢機卿の収集品から現代までを五つの章に分けて時代別に展示した展覧会。
ウッフィーツィ美術館から、あのポンテ・ヴェッキオの上を通る回廊にこうした自画像を主に展示してあるそうだ。4年前に、このヴァザーリ回廊に入ろうと申請するも、事前予約で一杯(1日に35人しか許可しない)で、断念した記憶がある。
余り期待してなかったけど、どうしてどうして、素晴らしい展覧会で、何かすごく儲かっちゃった気分。
何と言っても一番の見ものはマリー=ルイーズ=エリザベート・ヴィジェ=ル・ブランのこの作品かな。勿論レンブラントなどの巨匠の自画像もいいのだけどね。
この長ったらしい女流画家は、とりわけマリー・アントワネットやその家族の肖像画で一躍名を馳せた。事実、1780年頃、マリー・アントワネットの肖像画を描くためヴェルサイユ宮殿に招かれ、王妃や子供達、王族や家族の肖像画を数多く依頼され、王妃を大いに満足させたとされる。画家と王妃を超えた友人関係を築いていたともいわれる。
何より、子の通りの美貌である。まぁ、自分のことだから、少しでも美しく描きたい、まして女性だから、その傾向は強いだろうけど、偽ってまでということもなかろうから、実物に限りなく近いと思って差し支えなさそう。
下は左からレンブラント、モーリス・ドニ、エリザベート・シャプラン(緑色の傘も手にした自画像)色調といい、構図といいいかにも女性らしい感性が窺える作品。
更に、頑固そうなドミニク・アングル、ジョルジョ・デ・キリコなども。
一見して分かるマルク・シャガール。
そしてマリー・ルイーズ・ド・ギール・ベルエンストラーレのふざけた鼻だけの自画像まで。
最後の展示は特にウッフィーツィからお呼びがかかった3人の日本人画家の自画像。草間彌生、横尾忠則、杉本博司。実に素晴らしい作品で必見でしょう。
しかし、今日は腰痛がひどく、部屋ごとに置かれているベンチに座ること数え切れず。