ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ゲーム・オブ・デス

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101202 銀座シネパトス 原題もGAME OF DEATH [監]ジョルジョ・セラフィーニ(ベルギー生まれのイタリア人。48歳)、[出]ウェズリー・スナイプス

嘗ては兄弟のような固い絆で結ばれていたチームだったのに!それだけに、仲間に裏切られた突き上げるような憤怒はとどまることはない、そう相手の息の根を止めるまでは。

研ぎ澄まされた強靭な黒い肉体の、鍛え抜かれたその俊敏な動きと底知れぬ破壊力を、自身幼少時から武道に励んだスナイプスが画面いっぱいに繰り広げるクライムアクション。

CIA特殊工作員チームの一員として、数々の作戦に参加して実績をあげてきた主人公マーカスの次のターゲットは悪徳非道な武器商人とそことつるんで莫大な資産を形成している投資会社だ。そこへ潜入して、組織を壊滅させることにある。だが、仲間であるはずのチームはいつも間にか投資会社を急襲し、一気にまとまった金を掠め取ることを企て、マーカスとは敵同士となる。

最後はお決まりのドンパチが派手にあって、たまたま持つことになってしまった百万ドル入りの大型バッグを、下町の教会へ持込み、神父にありのままを告白、地域住民の福祉に使って欲しいという言葉を残して教会を後にするところでジ・エンド。見せ場は何と言ってもスナイプスのド派手な大立ち回り。彼のための作品と言っていい。

最近、この種の作品はほとんどと言っていいほど、極端に彩度を下げ、黒白映画に僅かに色を付けた程度で撮影している。確かに、この方がいわゆる派手な発色より、シャープな映像を作れるのと、血なまぐささを巧妙に軽減できる効果があって、好感が持てる。どうというほどの作品ではないが、アクションファンは必見か。

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