180112 仏独合作 RENEGADES(反逆者)105分 製作・脚本:リュック・ベッソン (59 仏)、監督:スティーヴン・クエイル(年齢不詳、米、「イントゥ・ザ・ストーム」)
邦題通り、ナチスが第2次大戦末期にユーゴ(現ボスニア・ヘルツェゴビナ)の山間の村に大量の金塊を隠した事実がのちに判明、ネイビー・シールズ(米海軍特殊部隊)がそれを水中から引き上げる作戦を、敵の反撃に遭いながらもまんまと成功させたというお話。完全なるフィクション。
ひんぱんに映画を見に行っているのに、なぜか本作の予告編は一度も見ることはなかった。それに事前情報もほとんど持たず見に行った作品は多くはない。多分、以前見た「ネイビー・シールズ」(ACT OF VALOR)(2012)の印象が強烈だったからかだろう。
その期待は裏切られなかったが、こっちの作品はツッコミどころ満載。出演者にはJ.K.シモンズとシルヴィア・フック(オランダ女優、「ブレイドランナー2049」)以外、知らない連中ばかりで、おそらくかなり低予算でキャスティングができたようだ。
冒頭からスリリングかつエキサイティングな場面が続き、スクリーンに釘付け状態。見せ方は巧みだ。「そんなバカな!」的なツッコミはとりあえず置いておいて楽しんだ方がいい。
報道クルーという形で敵陣に乗り込みペトロビッチ大統領(多分、民族浄化の名の下に大量虐殺に手を染めた悪名高きミロシェヴィッチ元セルビア大統領をイメージか)を取材したいと言う冒頭シーン、パンツ一枚にされ、車内も隈なく調べられるが、どんだけマッチョなのというような、一見して特殊部隊と分かる体型なのに、見逃す?
作戦は一応成功して、元大統領の身柄を拘束するが、途中で敵とドンパチやらかし、敵軍の戦車まで乗っ取ってのド派手な戦闘をしたと言う理由で上官(J.K シモンズ)から大目玉を食う。
でも、ボロクソに、こてんぱんに怒鳴りつけた後に、ウィスキーのマグナム瓶を取り出し、「みんなで飲め、全部で5本あるぞ!」と照れ臭そうに言うところの、なんとも人間味溢れる上官を演じさせると、ちょっとこの人の右に出る者がいないような気もする。こういう上官、上司って、いるいる。J.K. シモンズは怒鳴りだしたら止まらないようなタイプが不思議に似合う役者だ。ドラマーを熱血指導する「セッション」を思い出す。
ナチスの一個小隊を壊滅させるため、パルチザンがダムを爆破して、ナチスや住民ごと村を水没させたこと、まして金塊がいまなお村の教会の壁のどこかに眠っているという事実などを知るものは生存しておらず、永遠に封印されてしまう筈だったのが・・・。
後半、特殊部隊が空から湖に飛び降り、水中で金塊を捜索、敵側の妨害に遭いながらも、特殊機材で金塊をヘリで吊り上げ見事奪還に成功するという、まああり得ない話ながら、たっぷり楽しめたから、評価はともあれ、自分の中では上位ランク作品。
#4 画像はIMDbから。