201217 MEIN BESTER FEIND(我が最良の敵)オーストリア 109分 監督:ヴィルフガンク・ミュルンベルガー
裕福な家庭で兄弟同然で育ったヴィクトルとルーディ、一人はユダヤ人、一人はアーリア人。ナチスの台頭と共に、これが二人の運命を分つことに。原題にあるように、best friendだったはずが、気がついたら、best enemyに。それは、もともとは恵まれない環境にいたアーリア人のルーディがヴィクトルおよび家族同然に育った家(画廊経営者)を裏切り、あまつさえヴィクトルの恋人まで奪い取ろうと計画したことによる。
ま、ナチの将校となるルーディに監視されながらベルリンへ飛行機で移送される途中、パルチザンの攻撃に遭い、搭乗していた飛行機が墜落、辛くも生き延びた二人はパルチザンに終われることに。ヴィクトルの機転で立場を入れ替えたところが・・・。二転三転、悪い終わり方ではない。残虐なシーンもなし、ドンパチもほぼなし、むしろ喜劇的な場面を多く取り入れた楽しめる作品に仕上がっている。
がだ、この邦題は首を傾げたくなる。ヴィクトルも家にミケランジェロの素描とされるものが厳重に保管されている場面は登場するものの、”暗号”と言えるような話はまったくないわけで、「ダ・ヴィンチ・コード」に便乗したかのような真似はやめた方がいい。