201218 VICTORIA & ABDUL 英米合作 111分 監督:スティーヴン・フリアーズ
"Based on real events・・・mostly"、とあるので、実話とまではいえないが、ほぼ似たようなことがあったらしいということだが、ホンマかいな!である。
ゴールデン・ジュビリーの祝賀晩餐会で、当時治めていたインドからなにやら由緒ある記念コインを女王に献呈するためにはるばるインドからやってきたアブドゥルがふとしたことで女王のお気に入りとなり、破格の待遇を得てしまう。
いらだつ側近たちの諫言には一切耳をかさず、ことあるごとにアブドゥルをそばに置いて、会話を楽しみ、言葉を習い、女王専属教師として、はては勲章まで授けると言い出すに至って、ついに側近たちはことを起こす。
愛するアルバート公や従僕に先立たれ、虚しく日々を過ごす最晩年、ただかしずかれるだけで生かされていると感じているヴィクトリア。145cmしかないのに、やたら食欲だけは旺盛でから、体重ばかり増していく、そんな女王をデイム・ジュディ・デンチが見事に演じている。それもそのはず、すでに女王の役はなんどもやっているから、実に堂に入ったものだ。本作はジュディ・デンチなしには考えられない作品と言っていい。
ヴィクトリアは1901年に81歳で亡くなるが、ジュディ・デンチ(現在86歳)が本作の撮影しているときは82歳であるから、年齢的にもごく自然に撮れただろう。
右端はヴィクトリアとアルバート公の長男、プリンス・オブ・ウェールズ、後のエドワード7世で、似顔や写真にそっくりの男優が演じている。ギョロ目のご面相で、後のジョージ5世にも受け継がれて行く顔。またロマノフ朝最後の皇帝ニコライ2世ともよく似ている(従兄弟同士とは言うものの側近も間違えたという逸話がある)映画の中では女王からバーティーと愛称で呼ばれている。