120814 角川シネマ有楽町 原題:The Lady 仏 133分 監督:リュック・ベッソン
祖国独立に命を捧げたアウンサン将軍の愛娘、スーチーの現在進行形の半生記。愛する家族と引き裂かれたまま、敢然と祖国の為に尽くすスーチー。ほっそりした姿からは想像もつかない鋼鉄の意思を貫こうとする姿に涙、滂沱である。
ちょっとシャレたアクションものを得意とするリュック・ベッソンが、こんな作品を作るとは意外。紛れもないフランス映画にもかかわらず、全編英語とビルマ語というのも珍しい。
スーチーを演じるマレーシアの女優、ミシェル・ヨーが何と言っても素晴らしい。それに顔はともかく姿が本物に酷似していて、テレビ画面を通じて知っているスーチー自身ではないかと錯覚するほど。
イギリス人の夫、マイケル・アリス(デイビッド・シューリス)の尽力もあって、彼女は1991年ノーベル平和賞を受賞するが、出国できない(ひとたび出国したら軍事政権の思うつぼで、二度と再入国できなくなるとことを彼女は知っている)ため、夫でなく長男がスーチーに代わってスピーチするが、これもまことに感動的場面だ。
一旦、軟禁を解かれたものの、その後も何度か軟禁状態に置かれたが、やっと昨年、完全に解放され、テイン・セイン(軍人➡文人)が大統領に就任して、軍事政府に終止符を打った。そして、最近の選挙で、スーチー率いる政党「国民民主連盟」(NLD)が大勝、やっと民主化が加速するに到ったことは誠に喜ばしい。
画像はALLCINEMA on lineから。
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