120922 新国立劇場中劇場
研修所12~15期生によるガラ・コンサート。新人らしく、初々しくフレッシュな印象が強く残る、なかなか素晴らしいコンサートだった。
右下の後藤春馬君、一人12期生だが、さすがというべきか、見事なシモンを聞かせてくれた。あれだけ響きのいい低音を出せるバリトン、今の日本のオペラ界で貴重な存在になる日も遠くないような気がする。
曲目だが、少しモーツァルトに偏り過ぎているように思った。せっかくなら、ロッシーニ、プッチーニも入れて欲しかったというのが正直なところ。
選考委員の顔ぶれを眺めていて驚いた。何とガブリエッラ・トゥッチの顔写真があったからだ。彼女、東京文化会館が開館した1961年秋に第3回イタリア歌劇団の一員として来日。あのA.プロッティとリゴレットに出演し、その時の「慕わしき御名」が今でも耳に残っている。健在で何よりだ。
舞台を飾ったのは、草月流、渡邊紅昌さんの作品。なにやらずっしりと質量感のある半球体を赤い布(?)でくるみ、これを舞台上から24個も吊るす。漆黒ないし、ミッドナイト・ブルーのバックに、この赤が見事に映え、真っ赤な血が滴るようでもあり、人魂が浮遊するようでもある、何とも不思議な空間を現出。これも十分楽しませてもらった。
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