ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」@国立新美術館

121024 リヒテンシュタインにはさすがに行ったことがないから、今回の展示物はすべて初めて見るものばかり。

因にリヒテンシュタインは面積がたったの160km2で、フロリダのディズニーワールドより少し大きい程度。欧州のミニ国家の中ではバチカンモナコサンマリーノに次いで小さい国。でも他の3国と違って、ファドゥーツという、れっきとした首都がある。

さて、今回の139点の展示物の中には、タイトル通りまさしく秘宝と呼べるものが少なくない。概要を、ウェブサイトから拾うと、

名門貴族リヒテンシュタイン侯爵家が収集した美術コレクションは総数約3万点にのぼり、英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションと言われている。既に19世紀には公開されていたが、第二次世界大戦以降は一般の目に触れる機会はごく限られ、ようやく2004年にウィーンの「夏の離宮」で一部が公開されるようになった。展覧会としては、ニューヨークのメトロポリタン美術館で開催された他はほとんど例がなく、今回の展覧会はまさに画期的な開催である。

ということになる。いかに貴重な機会かが分かろうと言うもの。とりわけバロック・サロンと称する部屋は、天井画から壁面、絵画から調度品に至るまで宮殿の一室がそっくり六本木に引っ越して来たようなもので、独特な雰囲気を醸し出す空間である。

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何と言ってもチラシやポスターを飾るこの絵、自分の娘、クララ・セレーナを描いたルーベンスの作品だが、なんとも可愛らしく、また気品のある作品で、強く印象に残る。

他にもパウル・ルーベンスの作品、わんさか来ていて、嬉しくなる。昔はこの画家の作品が嫌いだったが、今は大好きな画家になった。

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フリードリッヒ・フォン・アメリングのマリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン候女2歳の肖像 ほっぺに触りたくなるほど愛らしい作品。

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レンブラントのかなり初期の作品だが、既にレンブラントここにありの主張が感じ取れる。

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マリー・アントワネットお抱えの美人女流画家ルイーズ・ヴィジェ=ルブランの作品も。描かれた当時、これを観た一般客が侯爵夫人が裸足で描かれたことにショックを受けたとか。こんな絵柄で、履物があったらおかしいのだが、当時はそんな感覚で見ていたらしい。

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ラッファエッロ・サンティ 当初、彼が仕えていたウルビーノ公の肖像とされていたらしいが、年代が合わないとかで、単に「男の肖像」とされている。

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ルーカス・クラナッハ(父)聖エウスタキウス キリスト磔刑像を角の間に載せた鹿を見て、キリスト教に改宗した瞬間を描いたと言われている。

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今朝の朝日にも⬆大々的に。