130628 シャンテ・シネマ 94分、英国映画 原題:SONG FOR MARION [監]ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
冒頭、チャーリー・リッチのTHE MOST BEAUTIFUL GIRL IN THE WORLDの軽快な歌が流れるのがいい。
なにせ、いつもこんな苦虫を噛み潰したような表情だからねぇ〜
妻に対してだけはなんとかうまく愛情が表現が出来るのだが、息子や孫、あるいは周囲の友人・知人に対しては、何故かうまく対応できないのが我ながらもどかしくて仕方ないアーサー、愛妻を亡くした今、ますます世間や息子一家からも逃避してしまうのだった。
癌治療中のマリオン。苦しいだけの延命治療を断り、ひたすら楽しみに集中する日々。
そんな彼を励まし、再び表舞台に押し上げるのは、亡き妻マリオンの支えになっていた老人合唱団「ザ・年金ズ」の若き指導者エリザベスであった。何と合唱コンクールで彼にソロをやらせたのだ。これをきっかけに、気まずかった一人息子のジェームズともやっと心を通わせるように。
決して上手いとは言えない彼の歌だが、聴衆や審査員の心を打つ。
何の変哲もないイギリスの田舎町で、これまたよくある話の展開(以前にも似たような作品があったと思う)なのだが、この作品の素晴らしさはやはりテレンス・スタンプ(74)とヴァネッサ・レッドグレイブ(76)という、英国が誇る2大名優が演じていることだろう。
この無口で頑固一徹の気難しい老人役を演じるテレンス・スタンプ、ひょっとしてこれが彼の地なのかと思うほど、自然に演じている。もちろん、ヴァネッサの上手さは言うまでもない。それにしても、あの選曲はどうなんだろうねぇ。
#49 画像はALLCINEMA on line