ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「ネブラスカ 二つの心をつなぐ旅」

140327 原題は単にNEBRASKAのみ。この邦題も素晴らしい!米 115分 モノクロ作品。監督は「サイドウェイ」のアレクサンダー・ペイン 地味な作品だが、深く心に刻まれるものがある佳作。

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そろそろヨイヨイの気配濃厚な頑固親父ウディ(ブルース・ダーン)、見るからにインチキな当選賞金を受け取ろうと国道を歩き始める。目的地ははるか4州先、つまり住んでいるモンタナからワイオミング、サウス・ダコタを抜けてネブラスカまで。途方もない距離だが、今のウディには賞金を受け取ることしか頭にない。

 

さすがに見かねた次男のデイビッド(ウィル・フォーテ)が、親父を懸命に説得するが、根負けして、無駄を承知で、親父を連れて一路ネブラスカを目指すという、典型的な心温まるロード・ムーヴィー。

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途中、ウディが育った町に寄り道、幼なじみに会ったり、親戚の家に二人で転がり込んだりしているうちに、ウディの若い頃のことや、結婚に至った、結構あぶない経緯などが、徐々に明らかになったり、中でも、賞金目当ての、欲の皮の突っ張った人物が次々に現れ、息子にはいちいちショッキングだ。

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⬆カミさんのケイトが、次々にウディとのなれそめやら、若き日の事実をバラすのだが、使う用語がいちいち品がなく、息子もすっかり辟易。

 

すったもんだの挙げ句、目指す賞金事務所に到着、案の定、「あら、残念ね、当選していないわね」の一言で、すごすごとネブラスカを後にする二人。道中、なんとか親父の夢を叶えたいと思い始めた息子が取った行動が泣かせる。回り道したけど、百万ドル以上の賞金を勝ち得た親父、思いがけぬ親孝行が出来た息子、いい作品だ!

 

 

#24  画像はALLCINEMA on lineから。