171014
このチラシからも雰囲気が伝わってくるが、それは楽しい、楽しい浅草ならではの舞台。ヴォードヴィルという、17世紀末にパリに登場した演劇のスタイルと言っていいのだろうか。歌あり、芝居あり、手品ありという趣向で、大正時代的雰囲気の横溢する舞台。観客席にもモガ・モボがいそうで、楽しかった。普段あまり見ることのない、おひねりが盛んに飛び交う光景も愉快であった。
今日は地元合唱団で指導に当たっている先生と、昔の職場仲間の一人が出演するというので、別のコンサートが終わってから浅草へ回ることになった。小雨だったが、浅草の街特有のアーケードのお陰で、地下鉄降りてから、東洋館までほとんど濡れずに行けてラッキーだった。
左端、10列目ぐらいに陣取った。
楽しい舞台を盛り上げた一人、ピアノの名手、山田武彦が音楽監督を務めていたとは!会場に入ると、脇で山田がピアニカなんぞ吹いていて、いきなり面白い光景だ。
それと、なにが愉快と言って、この弁士、麻生八咫の大仰な身振りとこれまた大げさな節回しがなんとも大時代がかって大受け!
この中では、「おてくさんの歌」というのは初めて聞いたが、それ以外はすべて知っているのばかりで、絶妙な編曲や振り付けが加わり、90分間、たっぷり楽しんだ。
コスチュームやら小道具類も工夫を重ねていて、大正ロマン感、たっぷり!多分、その時代はこんな風にやってたんだろうか。浅草オペラというのは、大正初期から大正12年(1923年)の関東大震災までが全盛とある。浅草六区、すなわちこの東洋館(浅草演芸ホールの4階)近辺で常盤座、日本館、金龍館などで次々と興行を打っていたらしい。しかし、大震災で、建物はもちろん、大道具、小道具、楽譜までを含めたすべてが消失、結局、大正14年(1925)の、浅草劇場での「オペラ座の怪人」を最後に浅草オペラは消滅したとある。
終演後、ロビーは狭過ぎるので、エレベーターホールまでの階段にぎりぎり並んで観客に挨拶する出演者たち。おつかれさまでした!ロングラン、まだまだ先があるので、最後まで頑張ってください!
左から根岸一郎(テノール)、谷川佳幸(テノール)、星野恵理(メゾソプラノ)
木綱麻紗子(ソプラノ)、松堂美枝子(ソプラノ)
帰路、アーケードを歩いていたら、何や人だかり。
猫カフェは聞いたことがあるが、フクロウカフェもあるとは!内部では、こうしたおとなしいフクロウを自由に触ることができるから、ぜひとおねえさんたちに誘われた。
#70 (文中敬称略)