ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「寛永の雅 江戸の宮廷文化と遠州・仁清・探幽」@サントリー美術館

180301 海外在住でたまたま日本に一時帰国した旧友と一緒にこの展覧会へ。

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当方としては、むしろ国立新美術館で開催中の「ビュールレ・コレクション」や、国立西洋美術館の「プラド美術館展〜ベラスケスと絵画の栄光」の方を勧めたのだが、洋画は普段見る機会が多いからと。

まあ、しかしお陰で江戸文化のほんの一部でも、素晴らしい作品にじっくり接することができたのは大収穫。美術館で2時間以上いたのも久しぶりだ。詳細→サントリー美術館ホームページ

寛永という時代は1624-1645の20年あまり。(ちなみに、オランダではあのヨハネス・フェルメールが活躍し始める頃)二代将軍秀忠の五女、和子(まさこ)の朝廷へのお輿入れなど、幕府側の融和政策を通じて、京都を中心とするいわゆる美術サロン的環境が整い、寛永文化が花開くことに。そこに、公家、武家、町人などの壁を超えた文芸交流がなされていったことを本展で感得できると思う。

小堀遠州(本名:政一)は、自分の中では作庭家としての記憶が濃かったが、それはほんの一部であり、実は大名、茶人、建築家、書家と、まことに幅広く江戸時代初期の雅を作り出していた傑出した人物かを本展で思い知らされ、自分の無知を大いに恥じ入った次第。

狩野探幽にしても、ああ、あの狩野派の一人か、程度の知識であったが、狩野派狩野正信を祖として、室町時代から実に400年の長きに渡って日本の画壇に君臨したという、世界でも例のない画家集団だったという、まさに天下の奇観とも言うべき実態を改めて知った。

野々村仁清に至っては、名前しか知らないというレベル。作品と言っても、まったく思い浮かばないという体たらく。いやはや・・・。無知、おそるべし!