ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

初めて新交響楽団を聴く

190429 友人に誘われて、普段は滅多に近寄らない池袋の芸術劇場へ。

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特別、期待していたわけではなかったせいかも知れぬが、これがアマチュアか?とまさに驚愕の一言。最初の演目、芥川也寸志の「オーケストラのためのラプソディー」の最初のホルンの咆哮から身震いするほど。咆哮から、消え入るような収め方。その後の弦楽の驚くべき奏法にも呆気にとられるしかない。

打楽器演奏も重要な役割を果たしており、出番、すこぶる多し。さまざまな楽器が登場するが、なかでもギロやカバサという珍しい楽器が登場、人目を引いた。

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ギロ。ギザギザ面をこすってギィギィという音を出す。中南米音楽では定番の楽器

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ポルトガル語で瓢箪を意味するカバサ。赤ん坊をあやすように優しく抱き、表面の玉が本体にこすれて音が出る仕掛け

まあ、ともかく全体になんとなく忙しげな音楽。

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アマオケとは言え、飛び抜けて歴史が古い。初期には芥川也寸志が丹精込めて育て上げたに違いない。聞けば年に4回も演奏会を開くというから、よほどの練習量だろう。

配布されたプログラムがまたよくできている。プログラム・ノートの記載がまた丁寧で奥が深い。それを団員たちが手分けして書いているのだが、いずれも専門的で舌を巻く。

バルトークについては、聴覚、嗅覚には人間離れした鋭さを持っていた熱烈な民族主義者として紹介、常にハンガリーを意識していたようだ。舞踏組曲は楽章ごとの切れ目なくわずかに間奏が置かれるだけで演奏されるから、「え、終わったの?」という感じで、拍手のタイミングに迷った。

また、シベリウスの2番などは、曲の構成を楽章ごとに詳細に記してあるから、それと突き合わせながら聴くと、また一段と味わい深い。

 

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ちょっと変わっているのは、楽団員の所属先が掲載されている。一般的には個人情報になるから、掲載されないのだが、プロではないことの証明のようなつもりで、芥川の指導で入れているらしい。もちろんご覧のように拒否する人もいるが、ほとんどが掲載されている。(偶然、自分がかつて勤めていた企業名を2ヶ所もみつけた)

こうなるとなんでも褒めたくなるが、プログラムにあるロゴマークも洗練されていて素晴らしい!

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