ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「家族にサルーテ!イスキア島は大騒動」

190706 A CASA TUTTI BENE(家ではみんな元気)伊 107分 原案・脚本・監督:ガブリエーレ・ムッチーノ

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典型的なイタリア映画。家族の絆、大家族主義、マンミズモ、アモーレ、マンジャーレ、etc. 登場人物が多すぎて、関係がよく分からないから、前半はやや退屈な場面も。

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事前にこれを見ておけば理解が早い。

イスキア島に住む両親が金婚式を迎えるというので、子供、孫、その他親戚、友達など総勢19名がイスキア島に集結。めでたし、めでたし、ガヤガヤ大騒ぎで終わる‥・・はずだったが、荒天で本土へのフェリーが欠航となったから、さあ大変だ。

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予定外のことで愛人との約束が果たせなくなりそうになる男、元カノとここぞとよりを戻す男、旧悪を暴かれやけっぱちなる男女、そこにはさまざまな、イタリアならではの家庭の事情が赤裸々になり、子供達がいるのも構わず罵り合いがあっちでもこっちでも。

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まあ、このG.ムッチーノが、やや自虐的に創ったような、いかにものイタリア映画で、笑えることは笑えるが、やがてしんみりもないし、ちょっと物足りない終わり方である。大騒ぎした連中がやっと島を離れて、元の静けさが戻り、金婚式夫妻が静かに庭でランチをする場面で_La Fineとなる。

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せっかくみんなで楽しく大声で歌っていると、フェリー欠航情報が

まあ、日本人の目から見れば信じがたい展開で、日本人でよかったと思うか、普段思っていた感情を思いっきりぶつけ合い、終わってみればまた元の鞘にみたいな世界が羨ましいと思うか、まあほとんどの人は前者だろうな。

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フェッリーニの8½にマストロヤンニと出てたサンドラ・ミーロもすでに84歳、右は「暗殺の森」、「イタリア式離婚協奏曲」の大女優、ステファニア・サンドレッリ、73歳。

イスキア島と言えば、「太陽がいっぱい」のロケ地で有名だが、1960年にはAPPUNTAMENTO A ISCHIA、日本語タイトル「歌え、太陽!」というドメニコ・モドゥーニョ、アントネッラ・ルアルディ主演の歌謡映画も日本で公開されている。

#40 画像はIMDbから。