ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「カルメン」本番!「海の日のチャリティーコンサート」@藝大奏楽堂

190715 当日の降雨が心配されたが、なんとか降り出さず、この点はラッキーだった。過去15回で、雨天は一度だけというから、これもまたすごい。そう言えば、過去2回参加した時は、暑さにあえぎあえぎ、会場入りしたのを覚えている。

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今年もこの季節になった。'16(ロッシーニの「小荘厳ミサ」)、'17(「モツレク」)に続いて、3度目の合唱団員としての出演を果たした。昨年の演目はカバレリアで、これも歌いたかったのだが、「椿姫」と練習がかぶるため、断念。

4月から15回の練習を重ねて、なんとか聞いていただけるレベルまで来たという感慨がある。指導の先生方も、それは認めていただいていると思う。自分は最終段階でぎりぎり暗譜ができて、本番はほとんど楽譜に目を落とすことなく歌い通せて、かなりの満足感を味わった。

今回、初めてフランス語による歌唱ということで、歌そのものより、多くの団員はフランス語で苦労したようだ。フランス語の発音に精通する指導者も何回か登場し、悪戦苦闘の末、歌えるレベルに仕上げた団員たちの苦労は褒められてしかるべきと思う。

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自分が出演するようになる以前は、4回ほど客席から楽しんだこのコンサートも、出演者が固定化されて新味が打ち出せない印象がある。今回はカウンターテナー村松稔之、ソプラノの相島百子メゾソプラノ佐間野朋美などが初登場で、わずかに新味と言えるが、もう少しこの層を厚くして欲しいものだ。

最後に登場した大御所3人は、まさにこの公演をずーっと担い続けた功労者でもあり、定位置での出演。ただ正直、この先どこまで歌い続けられるか、失礼ながら、いささか疑問符がつく。それでも、ベテランの味わいとでも言おうか、バリバリ歌う若手、中堅どころとは違う”何か”を感じた聴衆は少なくなかったようだ。こういう人たちが加わることで締まりが出るという要素は否定できない。難しいところだ。

歌い終えて、楽屋裏で指導の先生方からの講評を聞く。例年のことだが、たんなる褒め言葉ではなく、いずれの先生方も、特に高齢者には励みになるような一言が嬉しい。これを聞くだけで、また来年も出演したいという意欲が湧くから不思議だ。

合唱団員は、ゲネプロの一部(全体の半分ほど)を聞くことができるのは大きな特典で、その時間になると2階のバルコニー席へ翔ぶが如く急ぎ、1曲も聞き漏らすまいと思う。そんな中で聞く機会のなかった小林大祐による「あんこまパン」が、家人にはえらく評判がいい。日本語だし、笑いの要素たっぷりで、この種の曲をもう少し加えてはどうかと思った。

全体に、一般客が知らない演目が7~8割は占めていたようだが、その辺、選曲にはもう少し工夫の余地がありそうに思われる。

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ナブッコを歌い終わった直後の全体写真。日声協のHPから拝借しました。

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合唱団、退場。

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終演後、舞台裏で撮影されたもの。目の前でこの光景を見ていた。日声協のHPから。

 

文中敬称略