190803
自分が所属する地元の合唱団の一人が出演するというので、クソ暑い中、錦糸町まで出かけた。このお値段で、立派な演奏を聴かせてもらって、なんだかすごく得した気分でさきほど帰宅した。
得した気分というのは、合唱団のうまさもさることながら、ソリスト全員が以前からよく知っている方々ばかりということもある。いずれも一流の歌い手ばかり。
モツレクは自分でも歌ったことがあり(尤も抜粋だったが)、また所属合唱団でも再来年の定期演奏会で取り上げることが、つい先日決まったばかりというので、今日の演奏はとても参考になった。
モツレクは50分強の演奏時間ゆえ、単独では物足りないとも言えるので、なにかを前後に組み合わせて上演されることが多い。今回はごらんのような演目がモツレクの前に並んだ。いずれもよく知られた名曲ばかり。とりわけ、藤田美奈子が歌ったモテットは聞き応えたっぷりで、アジリタの上手さにはさすがと大いに感じ入った次第。
モツレクは、何度も聞いているが、今日の演奏はハーモニーもしっかりしており、各パートのバランスもよく、半ば陶然としながら聞き惚れていた。独唱者のうまさは今更だが、独唱の冒頭は三戸大久の超低音がホールいっぱいに響き渡り、参った。
ついで、テノールの高田正人、12年も前からずーっと聞いているから、知り尽くした声なのだが、ここしばらく聞いていなかったということもあり、久しぶりに聞いたら、発声が以前よりも軽快になったように感じた。今が最も旬な時期で、さらに進化するのではと、楽しみが増えた。
メゾの星野恵里は、地元合唱団で時折指導していただいている間柄で、これまたすでになんども聞いている。明るめのメゾで、自分が好きなタイプ。なんでもこなせる万能型。
ソプラノの藤田美奈子は、これまで一度しか聞いていないが、「うまい歌手がいるんだなぁ」という印象を持った程度だったが、今日は、モテットをしっかり聞かせてもらって、力強いスピント系ソプラノだと確信した次第。アジリタも、「こう歌うのよ!」と言わんばかりで、現在バッハで四苦八苦している自分たちには大変参考になった(と言っても、あんな真似は出来っこないんだけどね)
#45 文中敬称略