190807
今日は1階中央セクションのほぼ真ん中。真央くんの手の動きがよく見える位置。
さすがにチャイコフスキーコンクールで2位取っただけある技量を示した。彼、現在20歳らしいけど、かなり小柄で、とびっきり童顔だから、日本人が見ても中学生にしか見えない。海外では小学生並みに見られるだろう。多分、手も大きい方ではないから結構ハンディがある中で、堂々たる演奏ぶりにはたまげる。演奏内容と外観の落差が微笑ましい。
ブラーヴォと拍手喝采に、いかにも幼い感じの対応している姿には笑いが起こる。マエストロが、活躍した楽団員を立たせて喝采を浴びさせるいつものセレモニー途中で、なにを思ったか、一旦引っ込んだ真央くんが下手袖からおずおずと再登場、気づかないマエストロ、最後にコンミスに振ろうとした瞬間、真央くんの存在に気づき、コンミスを飛ばして、慌てて真央くんを再び舞台中央へと押しやり、大きな笑いを誘った。
真央くんのアンコールはリストの「愛の夢」。優しくしっとりと満員のファンを魅了し切っていた。隣の大きな女性、大興奮で、長い腕を思いっきり伸ばして、これでもかと大きな拍手。こちらの耳が痛くなるほど音量!(そのくせ、後半のベートーベン7番には、一転して最小音量の拍手。首を傾げたくなる。)
7番の演奏は、これぞコバケンの日フィルというような演奏で、悪いけど前日の楽団とは一味違ううまさを披露。弦も管も完璧!弦は全員が最高の力量を発揮、一糸乱れぬボウイングに卓抜する技が現れていた気がする。ホルンがまたよく鳴っていて、ハーモニーも抜群で、最後まで安心して聴いていた。
今日は真央くん+コバケンのケミストリーが効いて、5階の端っこの先まで人が埋まっており、めったに見ない光景だった。
アンコールは珍しいことにアイルランド民謡、ダニーボーイのオケ版。低音の弦からゆっくりと例のメロディーが奏でられて、なぜかふと目頭が熱くなる。次第に中音部、高音部へと旋律が引き継がれ、終演部はトゥッティで幕。見事な幕切れ!
#47 文中敬称略