200801 関東地方、キリの良い日に梅雨明けとなった。それにしても長い梅雨で、涼しいのは助かったが、やはり太陽が待ち遠しかった。そんな中、依然家族の大反対をよそに川崎へ音楽を聞きに出掛けた。
今日、東京では新たに500人近い感染者が確認されたが、すでにチケットも入手していたので、迷わず家を出た。
会場に着くと、まずは検温。カメラに顔を向けて進んでくださいと。チケットの半券は自分でちぎって所定のボックスに投入。いつもはスタッフがにこやかに手渡してくれるプログラムもなし。あちこちに用意されている二つ折りのチラシを各自ピックアップするようになっている。いつもなら、フェスタ・サマーミューザの小型だが厚めのカタログが渡されるのに。
指定席だが、自分では選べず、主催者側に任せるしかない。1階右寄りの席で、1席置きのアサインだから、前後左右が空いていてユッタリ感が。もちろん客席を眺めれば全員マスク着用。9割がた白いマスクで、残りは青と黒が半々ぐらい。黒は若い男性のみ。20分の休憩時間も、1階ショップ、2階のドリンクコーナー、いずれも閉鎖で、スマホをいじるしかない。
今日登場の群響の沿革等については、こちらを参照 → 群馬交響楽団
群響と言えば、なんと言っても「ここに泉あり」だ。1955年の作品だが、リアルタイムで学校から引率されて、渋谷の映画館で見た記憶がある。この映画でスメタナの「我が祖国」モルダウを初めて聞いたわけだ。当時、ヴァオリンを習っていたので、ことさら興味深く鑑賞したと思う。
東京で以前一度だけ聞いたことがあるのだが、いつか思い出せない。地方オケでも歴史と伝統のある楽団らしく、とてもいい音色を奏でていたという刷り込みがある。
登場するやいつもの半分以下の聴衆にもかかわらず熱心な拍手が始まる。みんなの期待がそれだけ大きいと感じた。マエストロが登場すると、コンミスと肘と肘を軽く触れて挨拶。団員はマスク着用なしで、団員同士の距離もそれほど離していない、ごく普通の配置だ。
今日の出し物はベートーベン・イヤーらしい構成だが、演奏機会のやや少ない2曲、それぞれ35分程度の組み合わせ。滅多に聞くことのない2曲だから、こちらもいつも以上にしっかり耳を傾けたが、玄人好みというのか、難しいことは分からないが、耳に残るメロディー、つい口ずさみたくなる、楽器で奏でたくなるという旋律がまずない点が他の、3、5、6、7、8、9番と決定的に異なる点であることは否めない。それだけに、却って貴重なコンサートだった。
終演後、熱狂的な拍手鳴り止まず、最後にコンバス奏者が出て行った後も拍手が続くので、たまりかねて、マエストロが再登場してやっと鳴り止むという、珍しい光景となった。
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