210131 珍しいオランダ映画。DE ZAAK MENTEN 監督:ティム・オリーフーク 2017年オランダ映画祭でテレビドラマ部門最優秀賞を受賞している。
どうもこの種のナチス絡みの作品につい目がいってしまう。見たのは吹き替え版。字幕版が有料のため、リアリティに欠けるが我慢。どうせオランダ語じゃ、分からないから、構わない。
1976年、オランダの主要紙の一つ、デ・テレフラーフの記者ハンス・クノープが追うのは、現在は超富豪で美術コレクターであるが、実際にはナチス政権時代、ナチス高官に取り入り、私服を肥やし、美術品をユダヤ人から掠め取り、さらにはユダヤ人を含むポーランド人を多数虐殺した男、ピーター・メンテン!
アイヒマンのように南米まで逃げた元ナチストップたちを追う話は珍しくないが、オランダ人がナチスに加担し、あまつさえ大量虐殺に手を下したという話はまったく知らなかった。
派手さはないが性格的にも地味なジャーナリストが周囲からの圧力にも屈せず、紆余曲折を経てついに有罪判決に持ち込めたことには思わず快哉を叫びたくなったほど。よく練られた脚本も立派だが、凝った撮影技法にも称賛を送りたくなる作品。