見よう見ようと思って、後回しにしていて、今日、やっと見ることができました。
この作品、昨年完成してたのですが、コロナ禍のせいでしょうか、公開は遅れたようです。
原作を読んだのは相当昔ですが、よく覚えています。かなり夢中になった記憶があります。
その後、映画やTVドラマでも観ています。今回は自身、たいへん歴史モノが好きで、BS NHKでも番組を受け持っていた岡田准一がタイトルロールで相当張り切っているのがよく分かります。さすがの演技であり、殺陣も元々定評がある人ですが、キマってます。
物語は原作にほぼそのままに進行していきますが、箱館時代の土方歳三が懐古する形をとっています。インタビューアーはフランスから派遣されていたブリュネーです。
大河ドラマで西郷どんを演じた鈴木亮平の近藤 勇も悪くないのですが、もう少しゴツい、いかついデカ顔の俳優がやった方がよかったでしょう。ちょっと優しい近藤 勇になっちゃってます。最後、土方の制止を振り切って官軍に投降する場面が哀れです。
あれは流山でしたね、確か。偽名を使うから問題なし、と最初こそ息巻いていましたが、検分した相手が悪かった!結局、板橋で斬首の上、晒し首ですからね。(映画はそこまで描いていませんが、誰が描いたのか、晒し首の絵が市中に出回ったようです。)
労咳が悪化していた沖田総司は千駄ヶ谷の植木屋で誰にも看取られず亡くなる、まあ、これは病気だから仕方ないでしょう。
そこへ行くと、土方歳三のみ、彼が貫いてきた生き方そのもの、壮絶な戦死を遂げます。満身創痍で、敵陣へひとり切り込み、待ち構えていた官軍の鉄砲隊に集中砲火を浴びて・・・。ま、これは誰でも知っている顛末ですから、ここに書いちゃっても問題ないでしょうね。
やはり本作は戦闘シーンには並々ならぬ力が入ってます。とりわけ芹澤 鴨の寝込みを襲う場面は凄惨を極め、また池田屋襲撃の場面は狭い空間での長州側と新撰組の大人数がひしめき合っての殺陣ですから、撮影は困難を極めたことでしょう。あまりの血生臭さに閉口します。これまでの映画やTVドラマでは見られなかった迫真力で、観てる側も力が入りました。
ところで、映画の冒頭から流れていた曲、どこかで聞いたことがあると思いつつ、最後まで思い出せませんでしたが、映画館を出てから思い出しました。ジョルジュ・ビゼーの「真珠取り」から「耳に残るは君の歌声」というアリアでした。時代劇に使われるとは!
まあまあ、全体によく出来た作品と感じました。