221113 INSIDE MAN (TV mini series 2022) 英 全4話、4時間 脚本:スティーブン・モファット(「シャーロック」、「ドクター・フー」など)、監督:ポール・マクギガン(「サバイバー:宿命の大統領」など)
程よい長さのクライム・サスペンス、スリラー、ミステリーです。最初はどうかな、続けようかどうしようかと迷いながら見ていましたらどんどんのめりこみました。
設定がなかなか手が込んでいます。だから、ちょっととっつきにくかったのかも。
二つのストーリーが同時並行的に展開され、一体、どんな関係があるのかと見ていたら、徐々に先が読め始めます。
1人は英国の地方都市のヴィカー(聖職者)の話です。この一家がふとしたことから、事件に巻き込まれる、というか、ヴィカー自らが蒔いた種でもあるのですがね。若干、無理筋局面もありますが、まあまあ、ここは騒ぎ立てないで従いましょう。
ひょんなことで、牧師の地下室に閉じ込められてしまった女性は、この一家の息子の家庭教師という設定です。なんでまた?って感じですが、それを言っちゃうとネタバレしますから、やめときます。
一方、別の展開は収監されている死刑囚(妻殺しの猟奇殺人犯)のお話し。これがただの死刑囚じゃないのです。ま、犯罪心理学のドクターなんですが、この人の人並み外れた推理力で、いろんな人が相談に来るという、ちょっと考えられないような状況。「羊たちの沈黙」を彷彿させます。
ちなみにこの役を演じるのはアメリカ人のスタンリー・トゥッチ(名前からしてイタリア系ですね)で、上手いです。んで、牧師の方はイギリス人のデイビッド・テナント。割に最近イギリスの刑事物テレビドラマ「ブロードチャーチ」で主人公の刑事役を演じました。目力がすごいオッサンですが、ヒゲを取り、少し若返らすとかなりのイケメン俳優です。
こうして、まったく違って見える二つの話が進行していき、最後に接点が用意されているという寸法です。ま、よく練られた脚本だからこそ、さほど混乱せずに楽しめるのだと思います。ま、佳作です。