ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「オットーという男」@Amazon Prime

231018 A Man Called Otto 米 2022  2h6m 監督:マーク・フォースター、製作陣には主演のトム・ハンクスに並んで夫人のリタ・ウィルソンも名を連ねています。息子のトルーマン・ハンクスも主人公の青年時代を演じており、一家総出の感があります。

スェーデン映画をハリウッド版にリメイクしたものです。劇中、スェーデンのお菓子を食べる場面が挿入されているのは、ある種、元作へのオマージュかも。

偏屈を絵に描いたような主人公オットーをトム・ハンクスが演じています。これまで全く演じてなかった役柄と言えるでしょうか。最後まで眉間の皺を消すことはありませんでしたね。それぐらい偏屈ぶりを表情に浮かべ続けます。ついでに、↑にもいますが、この猫が相当な役者ぶり!”名演技”で、印象に残ります。

一人暮らしの彼が会う人ごとに悪態をつくような描かれ方で、どんな過去が彼をそんな人間にしたのかは徐々に明らかになりますが、そんな彼を最終的に生まれ変わらせたのは近所に引っ越してきた一家のメキシコ人妻。このマリソル(マリアナトレヴィーニョ)という底抜けに明るく料理付きのお人よしが、どんなに邪険にされようと、オットーを自分のペースに巻き込んでしまうところがいいんです。

終盤はうるうるしないでは見られませんよ。文句なしに佳作です。