ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「カルミナ・ブラーナ 終演!」@サン・アゼリア(和光市)

231022

今月1日に同じ団体で演奏を終えたばかりですが、今日は大曲の演奏会で、埼玉県の和光市まで”遠征”しました。大田区の我が家から意外に交通の便がよく、1時間ちょっとでした。自由が丘から和光市まで直行電車が走っているおかげです。

今回は、男性衣装は上はジャケットなしで、黒シャツのみで臨むため、トートバッグに替えのズボンだけ入れただけという軽装で行きました。和光市駅を降りた途端、左膝に痛みが。舞台のイリハケに問題がなければいいのですがと、かすかな不安を抱えて会場入り。

無事ゲネを終えて、3時半出陣。まあまあ、なんとか乗り切れました。やはり本番になるとみんなギアチェンジして、サイコーの出来になるようです。今回もご多分に漏れずというところで、無事終了。

ソリスト陣、ここに愚亭が書くまでもないのですが、ま、一応。紅一点の全詠玉(チョン・ヨン・オク)さん、10年前に初めてお聞きして以来、ずーっと注目していましたが、ひさしぶりにお聞きして、その間の進化の凄さに舌を巻きました。澄み切った青空のごとく、超高音が館内いっぱいに響き渡り、気持ちのよかったこと。

押見春喜さんも、最初にお聞きしたのはやはり10年ほど前に、武蔵小杉のタワマン1階にある小ホールでした。演目は忘れました。歌いっぷりもメリハリがあって、テクニシャンと思わせますが、今回も、役柄になりきって、下の野太い声からファルセットによる高音域を的確に網羅して聴衆を酔わせていました。押見先生は合唱練習の指導にまで来てくれたのですよ。

カルミナと言えば高橋 淳さん、という具合にレジェンド的存在!この先生も、カルミナ練習初回に指導に来ていただき、なんという幸運かと思いましたね。この先生の場合は演技まで入れますから、そばにいるマエストロ、オケメンバー、もちろん共演の押見先生も巻き込んでしまいます。これぞ、まさしく至芸というものでしょう。

中盤に差し掛かるところで男声陣によるIn Taberna Quando Sumus・・・と、早口言葉の長い曲があるのですが、歌い終わると拍手が起こりました。後でカルミナ15回という猛者のH氏曰く、前代未聞と。

いやぁ、苦労した甲斐がありましたよ。この部分、当初、まったくできなくて絶望的でしたが、団がこのために何回か自主練を企画してくれたおかげで、なんとか最後は一丁前に歌えた気がします。ちょっと一人で感動していました。

↑最前列でしたので、目の前にはティンパニーと小太鼓が陣取っていて、時折、奏者が演奏中に移動するのですが、手持ちの楽譜を引かないと通れないほどの空間でしたが、それも楽しめました。

舞台に立った途端、想像していたとおりの聴衆の入りで、前後方中央部分に集中して、概ねキャパの半分ぐらいでしたでしょうか。場所を考えればこれでもいい方かもです。

私も友人・知人がほとんど東京東南部住まいなので、さすがに誘いにくく、現に家族からもソッポを向かれる始末。比較的アクセスのいいところに住んでいるプロの歌手の方々に来ていただけたので、結果オーライというところでした。

サンアゼリアは2011年に「ゼッキンゲンのトランペット吹き」という、あまり上演されることがないオペラを見にきたことがあるだけで、駅から遠かったと言う印象がありました。確かに、歩くと15分ほどかかるかと。

終演後は楽しい打ち上げへと。駅前のパーティー会場でマエストロ、ソリストにも加わっていただき、盛り上がったのは言うまでもありません。場所が場所だけにさすがに二次会は遠慮してそそくさと帰途に就きました。

森潤子歌劇派代表がマエストロに挨拶と講評を促しています。

相変わらずひょうきんで冗談ばかり交えるマエストロのトークが今宵も冴えました。