ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「バビロン・ベルリン」@Amazon Prime

231103 BABYLON BERLIN 2017〜  独TVドラマシリーズ 現在見られるのはシーズン3の12話まで。シーズン4は近々配信開始か?

視聴後、一言、「いやぁ〜〜〜面白かった!!!」です。まじで近年、稀な面白さでした。

あまり馴染みのないドイツ製のテレビドラマだけに、当初、懐疑的に見始めたものの、ぐいぐいとひきずりこまれました。

出演者のほとんどは知らない人ばかり。何人かは、前に映画で見た顔でしたが、主演急はまったく!でも、見ているうちに馴染んで、もちろん違和感ゼロ。こういうところ、面白いですよね、よく体験するところだけど、感情移入ですね、要は。

舞台はベルリン、それもなんとヒトラーが出現する直前のワイマール共和国の時代。天文学的数字の戦後賠償金を、主としてにっくきフランスから突きつけられてドイツは経済不況に喘いでいます。

そんな不穏な社会情勢をうまく利用して勢いを増してきたのが国家社会主義者、まあ、のちのナチスです。ヒトラーは画面にこそ登場しませんが、まさに直前のところまでを描きますから、もしかするとシーズン4、5あたりで出てくる可能性、なきにしもあらず。

主役は地方都市ケルンからベルリン警察に抜擢されてきたばかりの気鋭のラート警部、見た目、弱々しいのですが、正義感が身体全体にみなぎっている人物。

もう一人、女性の主役は貧民窟でぎりぎりの生活をしているシャルロッテ。この娘、天性の才覚を持っていて、いわゆる”地あたま”がめっぽういいのです。結構、やばいこともやりながら生活力旺盛で、しょうもない家族を一人で支えています。

それに美形じゃないけど適度の愛嬌もあり、モテます。この娘が、たまたま知り合ったラート警部とエピソードが進むにつれて関係が濃くなっていく過程が丁寧に描かれます。

これだけ話が長くても、まったくだれない脚本力にも脱帽ですが、なんと企画・脚本・監督があの名匠、トム・ティクヴァ(「パフューム」、「パリ、ジュテーム」)ですからね、さもありなん。

1920年代後期から1930年代初期にかけてのカオスに満ちたベルリンの街並みの描き方がはんぱないのです。CGも使っているのでしょうが時代考証、美術デザインがあまりにも見事でそこにも感動しますね。

シーズン4の配信が待たれます。