ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「オペラに酔いしれて」@さくらホール(渋谷)

240127 コロナで4年ぶりの開催だそうです。進行役のテノール高田正人さんによると、現在の会員数は実に2,700人ということですから、今日、ここに登場する歌手たちはまさしくほんの一握りということです。どのように人選が行われたのか、興味深いところです。

そんな厳選された中でメゾの池田香織さんが体調不良か、急遽出演を取りやめたのは大変残念でした。こういう企画ですから代役出演はありません。

当然ながらみなさん大熱演ですから、挙げればキリがないのですが、そんな中であえて触れましょう、気になった熱演に。

出演順で、まずはベテランのバス・バリトン志村文彦さん!これまでなんども生で聞かせてもらっていますが、その風貌も手伝って、実に味のある名演唱です。今回の愛妙からの長〜〜いアリアも、完全に自分のものにされて、時折ピアニストの河原忠之さんと絶妙の掛け合いも加わり、笑わせてもらいました。得難い歌手の1人です。

ソプラノ、高橋 維さん、デビュー当時からなんども聞いています。たまたまこの日、午前中のTV番組「題名のない音楽会」に出られて「魔笛」から夜女を歌い、ゲスト出演者お笑いの伊集院 光が感動のあまり泣くという一幕もあり、彼女の歌唱力の高さには改めて驚いた次第。

ここではこれまた難曲中の難曲である「キャンディード」からの”着飾って、きらびやかに”で会場を大いに沸かせました。耳に心地よい超高音の響かせ方には、ただ脱帽。確実に上手くなっちゃっていますねぇ。

もう1人、バス・バリトン北川辰彦さん、お名前から今年は年男!相変わらずの2枚目、その上、タッパもあり、とりわけおばさま、おばあちゃまたちから熱い視線が注がれます。この方も結構若い頃から数知れず聞いてますが、今日の選曲はまた大変な曲で、音域差がハンパなく、しかも長大で、それを大変巧みに表現たっぷりにご披露。大喝采!(でも、ここでBravo!が飛ばないのが不思議でした。低音部は割りを喰います)。

そして、最後はやはり大御所、黒田 博さんと我らが澤畑恵美さん!黒田さんはいよいよ円熟味を増して安定感抜群!対する沢畑さんは、もうそこにいるだけでいいというほどの存在感!日本のオペラ界の宝です。

9時少し前に終演、寒い夜でもあり、寒風吹き荒ぶ中、渋谷駅へ一目散。