240828 Les Liasons Dangereuses (そのまま) 1959 仏 1h59m 原作:ピエール・ドゥ・ラクロ(18世紀末の官僚、軍人、小説家)脚本・監督:ロジェ・ヴァディム
日本公開は1960年、リアルタイムで見ています。大学1年生で、ま、成人映画ぎりぎりのこの作品を当時、どこまで理解できたか疑問です。
ストーリー、ほとんど覚えていません。いろんな点で話題に事欠かない作品でしたが、中でもアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズの演奏が鮮明に記憶にあります。
また、世界的にも美男俳優として知られた愛称ファンファンことジェラール・フィリップの遺作となったのも話題をさらいました。8週間後に肝臓癌で亡くなりましたから、ファンには大衝撃でした。
本作でも十分感じられましたが、声がまた素晴らしかった!彼の残した詩の朗読を聞いたことがありますが、思わず引き込まれる声質でした。奇しくも彼がアヌーク・エーメと共演した「モンパルナスの灯」で演じた画家モジリアーニと同じ享年。
まだ36歳でしたが、それでも23作に出演したのは、まあまあだったのかも。(ちなみに映画界で燦然と輝くカリスマ、ジェームス・ディーンは、フィリップより9年遅く誕生しましたが、4年早く亡くなっていますから、わずか3本しか出演していません!)
映画は退廃そのものの内容で、フィリップとジャンヌ・モロー演じるカップルを中心に描きます。お互い愛人を作るのを公認し、成果を互いに報告し合うという奇妙奇天烈な生き方を楽しんでいます。
ところが、ある日、既婚のマリアンヌ(アネット・ヴァディム - 本作撮影中にヴァディムと結婚)に本気で惚れ込んでしまいます。ま、いわば夫婦間の掟破りってわけですから、モロー演じるジュリエットは断然これに横槍を入れます。これがとんだ悲劇を生むことに。
ラストの狂ったような友人宅のパーティーで例の名曲が演奏されます。今、改めて見ると、ロジェ・ヴァディムの才人ぶりをたっぷりと味わえます。佳作