ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「シャトーブリアンからの手紙」

141104 原題:LA MER A L’AUBE (夜明けの海)仏独合作 いわゆる戦争秘話、実話を基にした悲劇を、「ブリキの太鼓」の名匠、フォルカー・シュレンドルフが描く。

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どこの戦争でも、大なり小なりこの種の話はゴマンとあったろう。仏独間でもまたしかり。独軍支配下のフランスで、レジスタンスがたった一人の独軍将校を殺したばっかりに、報復として収容所にいる、実に150人のフランス人を銃殺せよという途方もない命令がすぐさまヒトラーから届く。

誰をどのように選び、どう実行するか?馬鹿げた命令に悩む独軍上層部、また独軍支配下ゆえに止むを得ず、実行の準備をせざるを得ない地元仏警察や行政、そして従容として処刑場に連行されていくフランス人たち。

三者三様の思いを非情なレンズを通して、淡々と描いていく迫真のドラマ。91分がアッと言う間に感じた。

ほとんど知らない俳優たちばかりだが、「ル・アーブルの靴磨き」、「キリマンジャロの雪」で好演したジャン=ピエール・ダルッサンが、今回は神父役で味な演技を見せる。

#88 画像はIMdb及びALLCINEMA on lineから