ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「関ヶ原」

170906  149分 脚本・監督:原田眞人 原作:司馬遼太郎

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テレビドラマでは、何度か見た記憶があるが、映画では初めて見る。さすがに今時の作り方だと、戦闘シーンなど、とてつもない迫力で、思わずワクワクする。

監督は司馬ワールドにずーっと強い憧れがあって、いつか自分で撮りたいと思い続けていたらしい。それはいいのだが、冒頭に司馬遼太郎の語り口で簡単な描写が入るが、この部分はカットした方がスッキリすると思う。

やはり撮影、カメラワークが秀逸、また特に音響がすざましき効果をあげていて、これを見るだけでも、本作を見る価値は大あり。それにしても編集が大変だったろうことは容易に想像できる。

有村架純がえらい美味しい役で、しかもエンドロールでも、堂々、岡田准一の次に出てくる。この初芽という役柄、確か原作にはなかったように思うが。なくてもまったく本筋に影響を与えないもの。

岡田の演技は、大河で黒田官兵衛もやってるし、まったく違和感なく見られた。ただ、もう少し冷徹さを出してもよかったかと思う。何だかえらく人の良さそうな人物になってしまっている。参謀の島左近を演じた平 岳大もいつのまにか立派に成長していた。

石田三成が自害せず、生き延びようとするところが常人とは異なるところで、彼の生き方は、敵役として描かれることが多い中で、司馬遼太郎はかなり石田に好意的に筆を進めていたことが分かる。

149分はちょっと長かった印象。もう少しコンパクトにして貰いたかった。

#60 画像はALLCINEMA on lineから