ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

ひさしぶりにアルテリーベへ。

181123 今日のアルテリーベは二人も知り合いが出演するとあって、三連休初日の夕刻、西新橋へ。

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工藤志州とは、7月のアプリコ椿姫で共演(?)の栄に浴したばかり。佐藤祥とは、この店でいつの間にか親しくなった。

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事前に今日は連休初日で、周辺のサラリーマンもいないし、極端に少ないとは聞いていたが・・・ビールを飲み始めた時点で、この状態。

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なんとか6人になったところで開演。歌う側もこれじゃ張り合いがないだろう。でも、長いことやってるわけだから、こういう場面も時折経験するらしい。

今日の演目;

ステージ1

ウィーンの夜はいっそう美しい      工藤

献呈(シューマン)           藤田

Nel cor più non mi sento (私はもはや何も感じない)G. Paisiello   佐藤

落葉松                 工藤

サルスエラからDe Espana vengo                   藤田

O mio babbino caro                                        牧野(研修生)

Climb every moutain(サウンド・オブ・ミュージックから) 佐藤

 

ステージ2

美しく青きドナウ            全員

この道                 工藤

丹沢(信時潔の「沙羅」から)      佐藤

楽に寄せて(シューベルト)       藤田

Amazing Grace                                               工藤・佐藤

「こうもり」「メリー・ウィドウからメドレー: 

「こうもり」から開幕の合唱、オルロフスキー公爵の十人十色、シャンパンの歌、「メリーウィドウ」からハンナ登場の歌    工藤・佐藤

乙女の花(R.シュトラウス)       藤田

 

ステージ3

ローレライ               全員+聴衆

さびしいカシの木(木下牧子)      工藤・佐藤

ドレッタの夢(つばめ)         牧野

コジ・ファン・トゥッテから二重唱    工藤・佐藤

氷のような姫君の心も          藤田

O mio fernando (Favoritaから)      佐藤

Un bel dì vedremo                                           工藤

 

この後、客席にいた元ボニージャックスの西脇久夫(トップ・テナー)が自作の「そして葉桜の時」⬇︎を歌ってくれて、もうかっちゃった氣分!現在82歳!自分たちも学生時代カルテットをやっていたから、いわば憧れの存在だったグループ!

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⬆︎右端が西脇久夫

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右端は普段店でオーダーを取ったりしているのだが、今日は男性陣がいないので、時折助っ人でテノールを歌ってくれた。器用な人である。聞けば古島 肇という武蔵野音大出、二期会所属のバリバリの歌手!ミュージカルやバレエもこなすというから、びっくり!真ん中は研修生なので、演目によってはこうやって譜持ちの姿も。

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今日はこの二人の二重唱がけっこうあった。

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佐藤の低い声は圧巻!なかなかあのような太い声は出せないから貴重な存在。

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いやあ楽しかった。たまにはこうして出演者と客がほぼ同数というのも、いいかも。リクエストも通り易いし・・・。(店には迷惑だろうけど)

#70 文中敬称略

「華氏119」

181122 FAHRENHAIT 11/9  米 128分 製作・脚本・監督・出演:マイケル・ムーア

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トランプが勝利した2年前の11月9日をタイトルに。9.11を取り上げた「華氏911」を意識した上手いタイトルだが、作品としては、同じく一人で製作・脚本・監督・出演した「ボウリング・フォー・コロンバイン」や「華氏911」、「シッコ」に比べると切れ味が落ちる。

どうして誰も予想しなかったトランプが勝利したかのカラクリを暴こうとした意欲は買うが、空振りしている感が強い。間口を広げ過ぎて、焦点がぼけたかな。

それと、日本では、ほとんど報道されていないムーアの出身地、イリノイ州フリントの大企業による水道水鉛汚染事件(水俣事件に重なる)などにかなりの時間を割いているのも日本人には今ひとつピンとこない。

この事件では、事態が一向に解決されないことに憤った地元民により、連日大掛かりなデモが頻発。当時のオバマ大統領が乗り込む騒ぎに。しかし、大統領は水道水を飲むというパフォーマンス(かいわれを食べた、当時の厚生大臣菅直人の姿を思い出した)しか演じなかったオバマに対する失望感から、トランプに利する結果とムーアは断じている。

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フリントの鉛で汚染された水を、元凶とも言われた当時のイリノイ州知事の自宅に放水するムーア監督。後ろの給水車にデカデカとFLINT WATERと書かれている。彼一流のパフォーマンス。

後半は、校内銃撃事件で生き残った高校生たちの、政治への強い関心と行動に焦点を当てていたのは悪くなかった。

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すっかりおばさん化しているムーア監督。

#80 画像はIMDb、及びALL CINEMAから。

「ムンク展」@東京都美術館

181121

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高齢者無料日だが、午後は第九合唱の練習があるので、いつもの夕刻の時間帯には行けない。ゆえに、かなりの混雑が予想されるため、逆算して早めに出かけた。これが予想したほどでなく、40分待ちの表示。実際には30分ほどで内部へ。ほどほどの混み具合で、普通に鑑賞できたのは幸いだった。

全部で101点で、全部がムンクの作品というところが素晴らしい!一般的には同時代の別の画家たちの作品もならべたりして、ある種、”お茶を濁す”ようなことは、よくあるのだが、その点だけでも大いに評価できる。リトや版画も多少はあったが、圧倒的に油彩が多かったのもよかった。

作品の詳細は、【公式】ムンク展ー共鳴する魂の叫びに譲るとして、これだけの作品群を一堂に並べることは世界的に見てもまず滅多にできないことゆえ、美術愛好家には必見の展覧会!自分には特に好きな画家というわけではないが、やはり北欧を代表する画家であり、独特の世界観を世に問うた稀有な画家であることは間違いない。

早死にした画家というイメージだったが、実際には享年80(1863-1944)というから、むしろ長生きしたのだった。彼の生きた時代は、祖国がスェーデンから独立、その後、第1次、第2次世界大戦というまさに激動の時代であり、作品にもそういう時代感が漂っている印象を受けた。

また、必ずしも家庭的に恵まれた環境ではなかったことや、自身、健康上の問題を抱えていたなども、色彩感覚などに影響を及ぼしていたことは十分考えられる。ことさら緑や赤を多用する傾向が見られるが、画面からは悲哀、諦観などが漂い、全体としては暗い印象を受ける。

例の「叫び」だけは、混雑を避けるためか、手すりを設けて、そこに並ばせる手法をとっていたが、あまり意味のあることとは思えない。もちろん、そこの列には並ばず、多少距離はあっても、勝手に見る方を選んだ。

またショップの混み具合、尋常ならず。彼の作品は商品化しやすいのだろうか。前評判通り、素晴らしい展覧会だった。

 

所沢でオペラガラコンサート

181116 普段滅多に行くことのない所沢まで。正確には最寄駅は、航空公園。そこにあるのが所沢市民文化センター ミューズ アークホール。最大席数2,000以上で、日本でも最大級のオーストリア製のパイプオルガンが威容を誇る。(でもねぇ〜、我が家から片道ほぼ2時間!)

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9割がた埋まった席には例によって高齢者と女性がほとんど。舞台の上も広々していて、すっきりした印象。19列19番はほぼど真ん中。

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旧知の歌手ばかり。尤も鈴木愛だけは、多分今回初めて。キュートで歌声も澄んだいい声だ。西村悟は体調不良だったのか、本調子ではなかったのが残念。

このガラコンは、7月のアプリコ椿姫でお世話になった美人ピアニスト、赤星裕子が自身の地元ということもあって、いち早く教えてくれた。彼女が主役のような今日の舞台だった。純白のドレスでまず登場、ピアノの音に合わせて、男女がカップルで1組ずつ登場するというおしゃれな演出。全員揃ったところで1曲目、タンホイザーから「大行進曲」。

進行はオッシーこと、押川浩士、茶目っ気たっぷりの進行ぶりはなかなか好評を博したようだ。

後半に登場した高橋絵理、一段と進化の跡が見られ、声の響きにはさらに磨きがかかった印象。すばらしいヴィオレッタだった。ちなみにSempre liberaのラストはEsに上げることなく原音でしっかり。ここは作曲家の意図通りでいい。無理してあげることはない。

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これは長谷川 忍がヘン顔したのでなくて、たまたま。でも、珍しいから敢えてそのまま掲載。右側はジェルモンの成田博之。今回も安定した余裕の歌唱。

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これはお借りした画像。

今回は、時間的に余裕があったので、楽屋にお邪魔して撮らせていただいた。

#69 文中敬称略

清澄庭園、初訪問

181115 深川江戸資料館の後は、すぐそばにある清澄庭園へ。ここも初めて内部へ入った。

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稀なる快晴のもと、池と周辺の緑がよく生える。常緑樹ばかりようで、紅葉はまったく見られなかった。ホームページから概要を拾うと、

泉水、築山、枯山水を主体にした「回遊式林泉庭園」。この造園手法は、明治時代の造園にも受けつがれた。そして清澄庭園によって近代的な完成をみたといわれている。
この地の一部は江戸の豪商・紀伊國屋文左衛門の屋敷跡と言い伝えられており、享保年間(1716~1736年)には、下総国関宿の藩主・久世大和守下屋敷となり、その頃にある程度庭園が形づくられたようである。
明治11年岩崎弥太郎が、荒廃していたこの邸地を買い取り、社員の慰安や貴賓を招待する場所として庭園造成を計画、弥太郎の亡きあとも造園工事は進められ、隅田川の水を引いた大泉水を造り、周囲には全国から取り寄せた名石を配して、明治の庭園を 代表する「回遊式林泉庭園」が完成した。
清澄庭園は、関東大震災で大きな被害を受けたが、この時図らずも災害時の避難場所としての役割を果たし、多数の人命を救った。岩崎家では、こう した庭園の持つ防災機能を重視、翌大正13年破損の少なかった東側半分(現庭園部分)を公園用地として東京市に寄付し、市ではこれを整備して昭和7年7 月に公開。庭園は、昭和54年3月31日に東京都の名勝に指定。

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お茶会をやっているようだった涼亭。

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さぎがあちこちに。慣れているせいか、近寄ってもあまり逃げようとしない。

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あまり雪も降らないが、金沢の兼六園を思わせる雪吊りが施されている。

ここにもお隣の国から若者が大挙入園していて、大声ではしゃぎまわり、その傍若無人ぶりは迷惑至極!