120919 TOHOシネマズ川崎 原題:INTOUCHABLES 仏113分 [監]エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカッシュ
氏、素性、つまり国籍こそ同じだが、人種はもちろん、育った環境も何もかもまったく正反対な二人の話。フランスでは久々の大ヒット作品となり、海外での興行成績でも「アメリー」に次ぐ記録とか。実話を基にした作品で、脚本とキャスティングが冴え渡る。
パラグライダー事故で、首から下が麻痺した大富豪フィリップ、介護人面接に突如飛び込んで来た見るからに粗野な黒人青年に興味を覚える。彼は、面接には来たけど、ハナから採用されることなど考えておらず、不採用のサインを貰えれば失業手当が出るから、というだけのことで出頭。一応目的は果たし、しかも面接待合室で待機中に、飾ってあったカール・ファベルジェ作のイースター・エッグ(時価数千万円か)を失敬するという離れ業。
何故かフィリップから、サインするから明日もう一度来て欲しいと言われて出頭すると、一月の試雇採用と言われ、早速フィリップの豪邸に引っ越して来る。しかし、やること、なすこと全てに規格外ゆえ、フィリップ周辺のスタッフが散々振り回され、誰も彼が本採用になることはないと考えるのだが、フィリップには別の考えがあったのだった・・・。
自分を身障者として見ることなく、粗野でも、まったくピュアで素朴に接してくれる黒人青年に好意を抱き、様々な体験を経て、深い絆で結ばれる二人に心地よい感動を覚えた次第。この介護人を演じたオマール・シーという俳優、フランスではかなり有名なコメディアンらしいが、うなるほど上手い!
このタイトルだが、仏人に確認したいが、英語のアンタッチャブルと本来同じ意味。となると、カースト最下層不可触賤民か、エリオット・ネスの”買収されない人々”などがあるが、どちらも該当しない。であれば、元々の意味、触ることが出来ない、部外者が立ち入れない程の絆で結ばれた、ということか。この邦題は見事!
クレジットが流れる前に、実際の二人の映像がほんの僅かだが流れる。介護人はどうもアラブ人のように見えた。二人とも、その後、子供も出来、幸せに暮らしているとテロップ。
#61 画像はALLCINEMA on line