ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

「モネ、風景をみる眼」@国立西洋美術館

131213 ろくに内容を調べもせずに出かけた美術展。見始めて気付いた。半分は何度も見た絵。それもそのはず、ポーラ美術館からもモネの作品を借り出して、共同で企画した展覧会とある。ま、入っちゃったから、仕方ないけど、@¥1400はチト高いのでは?!

つまり、この会場、本館が工事中(免震にするらしい)で、まぁその期間をうまくしのぐ手だての一環で、この企画を思いついたのでは、というのは邪推に過ぎるかな。同館のサイトの企画展概要には、

「モネは眼にすぎない、しかし何と素晴らしき眼なのか」。セザンヌのこの言葉は、生涯、戸外の光の表現を追求し続けた画家モネにもっともふさわしい賛辞ではないか。しかし彼の眼は、自然の風景から受け取る感覚的で瞬間的な印象を捉えていただけではない。

 

国内有数のモネ・コレクションを誇る国立西洋美術館とポーラ美術館の共同企画である本展覧会では、絵画空間の構成という観点から、他の作家の作品との比較を通して、風景に注がれたモネの「眼」の軌跡をたどる。初期から晩年までモネの作品35点を軸としつつ、マネからピカソまで2つの美術館が誇る近代絵画の秀作や関連資料を加えた展示を通して、モネが描き出す絵画空間の独創性を立体的に浮かび上がらせ、近代風景画に革新をもたらした画家モネの「眼」の深化の秘密を解き明かす。

とある。それにしても、海外からの出展が一つもないのは、いかにも寂しい。国内によくこれだけあるものとの感慨もなくはないが、正直、いい作品はそれほど多くはない。「マネからピカソまで二つの美術館が誇る作品も加えて・・・云々」とあるが、余りにも数が少なく、そんな中で、モネの独創性を浮かび上がらせるのは難しいとしか思えない。

ま、辛口もこの程度のしておいて、折角入ったのだから、少しは楽しまないと。

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同館のサイトからお借りした画像⬆。例の睡蓮は比較的大きな作品が展示されていて、見応えがあった。それとロンドンで描いた作品だが、当時のロンドンの霧の深さもあるが、彼の描き方が変化していることも手伝って、ターナー晩年の作品のごとき朦朧とした筆遣いが印象に残る。

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「舟遊び」(1887) 国立西洋美術館

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「バラ色のボート」(1890) ポーラ美術館

上の似たような作品はどちらもかなりの大作、これが並んで見られるのは甚だ興味深い。これが2館共同企画の一番面白い点ではないかな。

いつものように常設館へも入場した。前述の通り、本館が工事中で新館のみとなっていて、全体の1/4程度も見られないのが、誠に寂しい。来年4月半ばまで続くようだ。因に、この美術館所蔵作品は4500点を越えるとのこと。油彩画は400点弱で、実際に見られるのは200点弱と、半分は倉庫に眠っていることに。時々は入れ替えるので、やはり何度も脚を運ぶ必要はある。