150117
当該歌劇団の氏素性は・・・よく分からない。どこにも説明もないし、今回限りの公演なのかどうか。できれば、続けて欲しいけどね。いずれにしても、バリトンの宮本益光氏が企画した公演で、これだけの歌手を結集出来たのは氏の力によるものだろう。今更ながら大したもの。
いつもの出演者一覧とちょっと違うのは右下の3人だろうか。手慣れたナレーター、長谷川初範氏、鈴のつもりでパパゲーノにからむのは、コミカルダンスの高島美沙さん、そして、冒頭からラストまで、終始存在感を示し続けたフルートの難波 薫さん。この方、モデルと見まごうような長身、美貌と来ているから、ことさら異彩を放っていた。侍女役の一人青木エマさんも、日本人離れの長身だが、その上を行っていてからなぁ〜。恐るべし。いやいや、見かけだけでなく、演奏の方も、もちろん素晴らしかった。
そして、これだけの配役を揃えていながら、というか、いるのに、伴奏はピアノ1台?と、いささか物足らないような気がしたけど、ま、費用のことやら、いろいろあってそうなったんだろう。でも、心配無用。石野真穂さんが、見事な弾きっぷりで公演を散々盛り上げた。偉大なり。
そんなわけで随所に宮本色濃厚な舞台で、たっぷり楽しませてもらった。それにしても、侍女3人に売れっ子の3人を使う贅沢さはどうだろう。タミーノの鈴木准さんは、これ以上ないほど、この役にぴったりのお声。楽屋口でしゃべっているのを聞いたが、地声がそもそも頗るスィートだから、本人にしてみれば、普通にあの声が出てしまうのだろう。
砂川涼子さんは、今更だが、高音の透明感には、毎度のことながら痺れる。夜女の塩田美奈子さん、久々にお聞きしたが、失礼ながら、少しばかり最盛期を過ぎたかなという印象はあるものの、やはり抜群の存在感を示してくれた。パパゲーノは宮本氏自身で、言うことなし。パパゲーナの鵜木絵里さんも、この役は得意としているから、文句無し。加茂下稔氏のモノスタトス、不気味で、クセモノ的存在。ザラストロを演じた大塚博章氏、以前から聞いているが、改めて超低音がズシリと腹に響いた。
この演目は、繰り返し上演される人気オペラの一つだが、演出次第で様々なヴァリエーションが活かせるので、やる側もそうだろうけど、見る側も実に楽しい。ただ、少々長すぎで、途中必ずダレる場面が出てくる。なんとかならぬものか。 下の写真は、どなたの撮影か知らないが、facebook掲載のものを勝手にお借りした。(お許しください!)
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