ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

みなとみらいランチタイムコンサートで加耒 徹さんを

231003

先日、池袋で「私は街の何でも屋」で圧倒された加耒さんのミニ・コンサートに行きました。ゲスト出演は、メリーで共演した宮地江奈さん!見逃せません。

バロックバロック、古典派という構成。こうして聴き比べると興趣が尽きません。ヘンデルとバッハは同い年なんですねぇ。二人は当然お互いのことは知っていたのですが、会ったことはなかったとか、あったとかはっきりしません。同じバロックの大家ですが、ヘンデルの楽曲が比較的明るい印象を受けるのに対して、愚亭にはバッハの方は暗いというのでなく、深く心の襞にまで染み込んでくるように感じられます。

もちろんモーツァルトは今更ですが、今日の演目はまたことさら陽気で楽しく、ついでにアンコールは「魔笛」からパパゲーノ、パパゲーナの二重唱「パッパッパ・・・」でした。

加耒さん、もはや日本を代表する堂々たるバリトンの一人でしょう。プリンスのごとき風貌ですから、オペラより今日のような宗教曲をより得意にされているようです。宮地江奈さん、このサイトに、最近とみに露出機会が多いので繰り返しませんが、今日も素敵でした。まだまだお若いだけに、この先が大いに楽しみです。

プロムジカ使節とは、また珍しいブランド名です。音楽家集団で使節団というのは聞いたことがありません。しかも、上にあるように横文字はMISSIONとかDELEGATIONではなく、ACADEMYとしているのも、含みがありそうですが。いずれにしても個性的でいい名称ですね。

今日、チェンバロとポジティフオルガンを弾かれた方がこの集団の創設者だそうですが、先日の池袋での若手オペラ歌手と時も伴奏者として登場されていました。その時は専門外のピアノでした。今日は本職の楽器を楽しそうに弾かれていました。チェンバロの蓋の内側にはヴェネツィアの大運河が描かれていて、古楽器の世界を鮮やかに引き立てていました。

さて、このホール、今日の演奏会会場としては、いささか大きすぎたというのが率直な印象です。古楽器で、しかもこうした演奏曲目を考えれば、小ホールの方がよかった気がしました。加耒さんの素晴らしい声も、この大空間を若干持て余し気味でした。宮地さんはソプラノだけに、よく奥の方まで届いていたようですが。

アンコールを含めちょうど65分!見事な進行とトーク加耒徹、ここにあり!ってな感じでした。