ぐらっぱ亭の遊々素敵

2004年から、主に映画、音楽会、美術展、グルメなどをテーマに書いています。

室内楽ホール de オペラ・シリーズ、林美智子の「ドン・ジョヴァンニ」@第一生命ホール

220319 シリーズ2本目となる「フィガロの結婚」は2018年3月にここで観て、かなり魅了されたので、この公演をいち早く予約したところで、コロナ禍で敢えなく1年延期となり、今日の上演となりました。➡︎前回の記事

f:id:grappatei:20220319203345j:plain

前回とほぼ同じ顔ぶれです。今日は3列目という最前列で鑑賞しました。それにしてもこんな時期によくこれだけの顔ぶれを揃えたものだと林美智子さんのプロデューサーとしての力量にまず感心しましたね。でも、上にもありますが、「影の実力者」とあるように河原忠之さんのサポートが大きかったことは想像に難くありません。

前回上演とどうしても比べてしまうのですが、笑いの要素はかなり減りました。「フィガロ」の時は笑いっぱなしでしたが、今回は演目の内容からしてちょっとふんだんに笑いの要素を加えるのは難しかったのかも知れません。

この公演の特徴はなんと言っても、アリアはなしで重唱だけに絞り込んでいることでしょうか。ちょっと物足りない気もしますが、逆に普段気づいていない素敵な重唱を楽しむことができました。

そして足りない部分は出演者全員のなんと言っても芸達者ぶりです。こういう公演を見るとやはり歌唱力+が常に求められ、それに応えられる人こそが一流の歌い手ということが言えると思いますね。そういう意味では林美智子さんの演出は、出演者個々のよさを存分に引き出していたと言えます。

タイトルロールの黒田博さん、二期会の重鎮として活躍を期待されているところですが、いやはや、目を見張りましたね、この人、失礼ですが、こんなに上手い人だったのって。演技力は言うまでもないとして、歌唱力のパワーアップ、ハンパじゃないんですよ、それが。

澤畑恵美さんは昨夏も幸運にも同じ舞台に乗るという僥倖に恵まれましたが、存在感が違います。もうそこにいるだけでいいんです!って、まあ、ちょっと個人的な要素が強いですが。(笑)

いつも笑わせてくれるのが鵜木絵里さん!ピュアなお声もですが、日本人離れした顔の表情だけで笑わせてくれます。また今回は多分薩摩弁だと思うのですが、トークでの吸引力は抜群ですね。ほんとに面白い!

というふうに一人ずつ書くとキリがないのでやめますけど、隅々まで行き届いた演技や歌唱で、今回の舞台にも大いに魅了された次第です。次回もまた楽しみにしたいと思います。

f:id:grappatei:20220319160730j:plain

やや枯淡の味わいに近づいた趣の池田直樹さん、もうヘトヘトという感じでした。

f:id:grappatei:20220319160741j:plain

相変わらずの気品です。

f:id:grappatei:20220319160746j:plain

いや、おつかれさんでしたあ〜〜!

f:id:grappatei:20220319160800j:plain

いよお、影の実力者!頭を丸めていますが・・・?

カーテンコールでは、わざわざ譜めくり女性を舞台中央に呼んで気遣いをされていました。石井里乃さんと判明。Devuの河原さんの横にちょこんと座って、マスクしているし、特に紹介もしていない、プログラムにも記載がないので、誰かと思いました。

f:id:grappatei:20220319160924j:plain

騎士団長、三位一体とかで、御大妻屋秀和さんは後藤春馬さん、山田大智さんという、将来嘱望の若手二人を引き連れての演唱はしびれましたねぇ。右端、一人だけ白いシャツは今や超の字がつく人気バリトン加耒徹さん。マゼットで鵜木絵里さんとは名コンビでした。